東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長(83)の後任に2021年2月18日、橋本聖子五輪相(56)が固まった。「五輪の申し子」とも評される橋本氏だが、アキレス腱として危惧されるのが過去のセクハラ問題だ。
2014年2月の冬季ソチ五輪閉会式後のパーティーで、フィギュアスケート男子の高橋大輔選手(34)に抱きついてキスを強要した、などと週刊文春に写真付きで報じられた問題だ。高橋選手はキスがセクハラではないとの認識を示し、当時は事実上不問とされた。ただ、「女性蔑視」発言がきっかけの辞任劇だっただけに、国外からもセクハラ問題が蒸し返される可能性がある。すでに「『女性蔑視』森の代わりに『強制キス』橋本」の見出しで報じる国外のメディアもあり、予断を許さない状況だ。
スケート協会会長引責辞任の意向→慰留されて留任
橋本氏はソチ五輪で団長として日本選手団を率いていたほか、日本スケート連盟の会長を務めていた。橋本氏は14年8月の文春の報道後、
「私の行動は甚だ軽率であったと深く反省しております。このたび頂戴したご批判、お叱りを真摯に受け止め、行動を慎んでまいる所存です」
とする談話を発表。スケート連盟会長の引責辞任の意向を示したが、慰留されて留任した。日本オリンピック委員会(JOC)や自民党も問題視しなかった。当時、この顛末は
「元五輪選手の国会議員、ソチ五輪でのスケート選手へのセクハラを否定」(英ガーディアン紙)
「フィギュア王者の高橋大輔、橋本聖子からのセクハラを否定」(豪シドニー・モーニング・ヘラルド)
といった具合に海外紙も報じ、共同通信も英文で記事を配信。橋本氏が後任候補として取り沙汰されたことで、当時の記事を改めてツイートする人が出始めている。