米市場への「攻めの姿勢」に評価
それでは20年12月中間期の決算内容を確認しておこう。営業損益は13億円の黒字(前年同期は138億円の赤字)。四半期ベースでは3四半期連続の営業黒字となった。
アプリの取引額を示す流通総額は国内が3676億円と前年同期比31%増。米国は582億円で前年同期の2.3倍だった。こうした点を踏まえて大和証券は2月8日付リポートで目標株価を6100円から6800円に引き上げた。これも2月第2週の上昇を後押ししたようだ。
決算発表直後に市場に不評だったのは、四半期ベースでみると前年同期比の国内流通総額の伸び率が鈍化している点。4~6月(40%)、7~9月(34%)、10~12月(28%)という具合だ。一方、米国の10~12月の流通総額は7~9月に比べると9%減だった。年末商戦という季節性からみて異変とも言える。
ただ、SMBC日興証券は、米国では同業他社の流通総額も10~12月は7~9月比で減っており、4~6月、7~9月はコロナ禍下でバブルだったとの見方があるとしている。
いずれにせよ、コロナ禍がメルカリの業績に順風だったのは間違いない。ワクチン接種などによってコロナ後の世界が見え始めているなかでもメルカリ株が買われて上場来高値を更新したのは、スーパーボウルの広告出稿に象徴される米国市場への攻めの姿勢であろう。
市場では「成長途上でもあり、黒字にこだわらず投資を続けて流通総額を伸ばせば株価もさらに上がるのではないか」との声が聞かれる。