山下氏は延期決定時に蚊帳の外に
このように山下氏の引退後の経歴は組織委員会の新会長として申し分のないものだが、関係者の間で不安視されているのが「発言力」だ。
昨年3月に東京五輪・パラリンピックに延期が決定。延期を決定するにあたり、首相官邸に安倍晋三首相(当時)、菅義偉官房長官(当時)、橋本五輪相、森会長、小池百合子都知事が集まりIOCのトーマス・バッハ会長と電話会談が行われたが、この席に山下会長はいなかった。山下会長は蚊帳の外に置かれ、発言の機会すら得ることが出来なかった。
森会長の「女性蔑視発言」は海外メディアによって大々的に報じられ、IOCが声明を発表する事態にまで発展。森会長の引責辞任の経緯から新会長の選出は慎重に進められるとみられ、なおかつ「透明性」が求められる。東京五輪・パラリンピックの新たな「顔」となるのはどの候補者か。日本国内だけでなく世界的に注目を集めている。