7年前の「セクハラ騒動」が橋本氏のネックに
小谷氏の対抗馬とされる橋本五輪相は、夏季(自転車競技)・冬季(スピードスケート)両方の五輪に出場した経験を持ち「五輪の申し子」と称された。1992年アルベールビル冬季五輪では、女子スピードスケート1500メートルで銅メダルを獲得。現役引退後の95年に政界に進出し、国会議員を務めるかたわら日本スケート連盟会長、JOC理事を歴任した。
IOCとJOCに加えて政界に太いパイプを持ち、選手としても十分すぎるほどの実績を持つ橋本五輪相だが、大きなネックとなりそうなのが過去、週刊誌で報じられた「セクハラ騒動」だ。
橋本五輪相の「セクハラ問題」について2014年8月20日発売の週刊文春(同年8月28日号)が報じた。同年2月に開催されたソチ冬季五輪の閉会式後に選手村で開かれた打ち上げパーティーで、当時日本選手団団長だった橋本氏がフィギュアスケート男子の高橋大輔選手に抱きつきキスをしたというもの。高橋選手は橋本氏の「パワハラ」、「セクハラ」を否定したが、一連の騒動は世間の注目を集めた。
また、森会長の後任として小谷氏、橋本五輪相が有力視されるなか、候補者として急浮上したのがJOCの山下会長だ。1984年ロサンゼルス五輪の柔道男子無差別級を制して金メダルを獲得。現役引退後は全日本柔道連盟の要職を歴任し、柔道の普及、振興に努めた。13年にJOC理事に就任し、19年6月に会長職に就き、20年1月に圧倒的信任を得てIOC委員に選出された。