反響がさらに好循環を生み出した
2月12日、J-CASTニュースの取材に応じた南村さんはこうした取り組みについて、「業界としては当たり前だと思ってやってきたこと」だと話す。
取引先やサプライヤー向けには以前から共有していたものの、「大々的にエンドユーザーに伝える」ことはなかったという。しかし今後、グローバル市場に進出していくためには、環境・人権・健康への配慮といった観点を訴えることが必要だと考えた。
「タイガー魔法瓶は23年で創業100年を迎えます。次の100年、グローバルマーケットに商品を展開するうえで、環境や人権への配慮といった観点が重要だと考えています。そこでタイガーとしてのメッセージ、企業理念を伝えていこうと公開しました」
先述したように、「NO・紛争鉱物」の取り組みを紹介したツイートが大きな注目を集めたことについて、南村さんは「私たちも非常に驚きました」と話す。
「紛争鉱物の不使用は他社のCSRの文脈でも含まれていると思います。しかし日本では、エンドユーザーの方々にあまり認知されていなかった。しかし世界ではこの観点は切っても切れないものとなっており、日本の中でも認知が上がっていくだろうなと思いますし、我々がそれを発信できればという思いもあります」
今回の反響を受けて、社内の意識も変わったそうだ。
「開発の部隊もこれまでは機能性やスペックを挙げていこうという観点で開発に取り組んできましたが、この反響を受けて『こういう風に製品を進化させたら4つの約束のイメージももっと強くなりますよね』と提案してくれました。社内の意識も向上して、本当に良いサイクルが出来上がったと思います」