「武装勢力の資金源として採掘されている鉱物を使いません」――真空断熱ボトル(水筒)などで知られるタイガー魔法瓶(大阪府門真市)の「NO・紛争鉱物」という宣言に注目が集まっている。
J-CASTニュースはこの取り組みについて、同社のステンレスボトルブランドマネージャーを務める南村紀史さんに取材した。
「人の苦しみの上につくられた原材料は、一切使いません」
タイガー魔法瓶は20年7月、同社の真空断熱ボトルにおける「4つの約束」として、環境・人権・健康への取り組みを公式サイト上に掲載した。
このうちの一つ「NO・紛争鉱物」について21年2月上旬、あるツイッターユーザーが「紛争鉱物使ってないとか初めてこんな表記見た!」とシェアした。するとそのツイートは大きく拡散され、ウェブニュースなどでも取り上げられるなど話題となった。
紛争鉱物とは、アフリカ諸国などの紛争や内戦の絶えない地域で採掘された鉱物。アメリカのドット・フランク法ではスズ、タンタル、タングステン、金の4種の鉱物と定められている。武装勢力の資金源となることを防ぐため、世界的に規制が進められている。
タイガー魔法瓶も人権配慮という観点から使用していない。「4つの約束」を発表するにあたっては、すべてのサプライヤーに協力してもらい、武装勢力の資金源となっていないことを、樹脂やステンレス材などの原材料にまでさかのぼって確認したとのこと。
タイガー魔法瓶の特設サイトでは、
「武装勢力の資金源として採掘されている鉱物を使いません。
また15歳以下の労働者のいる企業に発注しません。
人の苦しみの上につくられた原材料は、一切使いません」
と宣言している。
「4つの約束」では紛争鉱物不使用のほかに、フッ素コートの不使用や、丸投げ生産を行わない、プラスチックごみを減らすというメッセージを発信している。