2021年2月13日深夜に発生した福島県沖を震源とする地震の影響で、JR東日本の東北新幹線は14日から那須塩原~盛岡間で運休が続いている。
全線復旧までは10日間ほどの見通しとなっているが、鉄道・道路・航空による代替ルートの確保が進んでいる。15日夕現在の代替ルートの情報をまとめた。
常磐線・羽越線・高速バスで増発
JR東日本では東京~仙台の迂回ルートとして常磐線を活用、通常東京(品川・上野)~仙台間に1日3往復運行している特急「ひたち」に加えて、品川~いわき間のひたち9号・25号・22号を仙台まで延長運転、かついわき~仙台間を快速扱いとして運行する。常磐線は20年3月14日に東日本大震災から全線復旧を果たしたばかりで、バイパス機能が活かされた形になった。
日本海側の羽越本線では通常新潟~酒田間の特急「いなほ11号」を秋田まで延長運転する。盛岡~秋田間のみ運行となっている秋田新幹線への救済のための延長運転だ。
ジェイアールバス東北では福島~新宿間・仙台~東京間の高速バスに続行便を設定して1便あたりの輸送量を増やしている。
振替輸送を確保する中で、鉄道ファンを沸かせる珍事が発生した。21年2月14日、東北線の上野~那須塩原間に臨時快速列車が運行されたが、3月13日ダイヤ改正で特急「踊り子」から引退が決まっていた185系電車が充当されたのである。
185系は東北線でかつて特急「なすの」「ホームタウンとちぎ」などで走っていた過去があり、引退間近の起用に鉄道ファンが沿線に集まる珍事となった。15日のJ-CASTニュースの取材に応じたJR東日本東京支社によると 、14日のみの運転で、以降の運転予定はないとのことである。
東北新幹線は16日から一ノ関~盛岡間でも臨時ダイヤで運転を再開する。
空路も増便、ただし悪天候に注意
航空機も東京と東北各地の増便を行っている。
JALは2月14日に2路線4便で臨時便を運航し、15日も7路線24便で臨時便を運航する。14日には東京(羽田)―青森と大阪(伊丹)―仙台で1往復ずつだけだった臨時便は15日には東京(羽田)から青森・山形・秋田・花巻・仙台の各地への運航に拡充された。羽田-仙台の臨時便は2月15日・16日と3往復ずつボーイング737-800により運航予定である。
ANAは羽田-仙台・福島・秋田、大阪(伊丹)-秋田で臨時便を設定、また羽田-秋田線については定期便も機材の大型化で対応する。
ただし、15日夕時点では、JAL・ANAとも東北地方の低気圧接近に伴う悪天候の影響で青森空港・三沢空港発着便の一部に欠航が出ている。また東京発三沢行きのJAL153便・155便は函館に行先を変更し、乗客は函館から新幹線に振替える対応を行った。
16日のJAL便も青森・秋田・花巻発着便の欠航が決まっており、随時運航状況をチェックする必要がある。
(2月16日12時30分追記)ANAの対応に関する記述に誤りがあったため、修正しました。