福島県沖を震源とする、最大震度6強を観測とした2021年2月13日夜の地震。実はこの3日前の2月10日(日本時間)、南太平洋で大規模な地震が起きていた。
2011年3月の東日本大震災の前は南半球のニュージーランドで、16年4月の熊本地震前には南太平洋で、それぞれ規模の大きな地震が起き、被害も出た。それぞれ因果関係は不明だが、不気味な現象だ。
ニュージーランドやバヌアツで
マグニチュード(以下M)7.3が観測された福島県沖の地震。米国立気象局公式サイトの津波警報ページによると、10日にはオーストラリアの東に位置するニューカレドニア・ロイヤルティ諸島の南東でM7.7の地震が発生していた。最大で0.78メートルの高さの津波が観測されたが、14日現在被害は報告されていない。
過去にも、似たようなことが起きている。2011年3月11日の東日本大震災の前、同年2月22日には、ニュージーランドでM6.3のカンタベリー地震(クライストチャーチ地震)が発生していた。この震災では、日本人28人を含む185人が犠牲となった。
16年4月の熊本地震では14日と16日にそれぞれ震度7が観測され、273人の死者が出た。そして、その同月3日には、ロイヤルティ諸島北のバヌアツ諸島でM6.9の地震が発生していたのだ。
2~3日は規模の大きな余震注意
バヌアツ諸島といった南太平洋地域で地震が発生し、続いて日本でも起きる。インターネット上では、「バヌアツの法則」なる言葉まで登場した。しかし、武蔵野学院大の島村英紀特任教授(地震学)は2016年8月14日付の日刊ゲンダイデジタルの中で、「バヌアツと日本の地震に関連性があるかは分かりません」と指摘している。バヌアツと日本では距離が遠く、双方の地震がどう影響し合っているか解析するには時間がかかるという。
一方で「ただ、バヌアツは太平洋プレートで日本とつながっているので、バヌアツ付近で大規模地震が頻発しているということは、日本でも同規模の地震が起きる可能性はあるわけです」としている。
今回の地震を受け、気象庁は21年2月14日未明に「揺れの強かった地域では、地震発生から1週間程度、最大震度6強程度の地震に注意してください。特に今後2~3日程度は、規模の大きな地震が発生することが多くあります」と呼びかけている。