住みたい街1位、なぜ「本厚木」? 専門家が指摘した意外な「一因」

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駅前の「衰退」指摘は「一面的な見方」

   とはいえ、インターネット上では「本厚木1位」に対し「なんで本厚木?」「ピンとこない」という声もあがっている。専門家は今回のランキング結果をどう見ているのか。首都圏のまち事情に詳しい「まち探訪家」の鳴海侑さんは2月10日、J-CASTニュースの取材に対し、ランキングがユーザーの「物件問い合わせ数」を集計して作られているとした上で、以下のように指摘した。

「これまで4年連続1位だった池袋が後退し、東京都外の駅が上位に来たのは、コロナ禍で東京都内の転居と東京都への転入超過が減る中で、周辺の神奈川が横ばい、千葉が増加になったことによる相対的な結果だと考えられます」
「前年から大きく順位を上げた駅には木更津(141位→41位)、五井(86位→46位)、茅ヶ崎(134位→62位)といった駅があります。いずれも工業地帯が付近にある駅です。1位の本厚木駅がある厚木市は『東京のベッドタウン』と捉えられがちですが、多くの工場が立地する工業都市でもあります。首都圏全体で人口移動が滞る中、工場で働く人などの住宅需要に大きな変化がなかったことも、今回の結果につながった一因なのではないでしょうか」

   また、本厚木駅前にはかつて多くの大型商業施設が立地していたものの、近年はパルコ(08年閉店)、イトーヨーカドー(17年閉店)が撤退。相模川を挟んだ隣市・海老名で「ららぽーと」(14年出店)、「ビナガーデンズテラス」(17年出店)などの大型開発が進んでいたのとは対照的で、本厚木の「衰退」を指摘する声も出ていた。

   ただ、鳴海さんは「厚木市民が小田急線を使って、海老名や町田など、より商業的に賑わっているまちへと足を運んだ結果なのだと思います。大型店の閉店が相次いだことに関しては、各事業者がたまたま閉店政策を進めていたタイミングだった、というのもあると思います。ミロード(本厚木駅ビル)などは今も多くの人で賑わっています」と指摘。本厚木の衰退は「一面的な見方なのではないでしょうか」と話した。

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