FBがアップル提訴の準備か ザッカーバーグCEOが批判...ネット広告規制めぐり何が?

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「アプリ開発者や中小企業を犠牲に自社の業績に恩恵をもたらしている」

   アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)は1月28日、シンポジウムにオンラインで参加し、「我々の生活のすべてにかかわることが集計され、販売されるのが普通で不可避だと受け入れてしまったら、我々は人としての自由そのものを失う」と、新規制導入の狙いを説明。「テクノロジーとして成功するのに、数十のウェブサイトやアプリからつなぎ合わせた膨大な個人情報は必要ない」と話した。

   一方、FBのマーク・ザッカーバーグCEOは 27日の電話会見で、「アップルは、自分たちが支配的なプラットフォームを持っているという立場を使い、我々や他のアプリを邪魔するあらゆるインセンティブ(動機)を有している」と批判。28日のクック氏の発言を受けたFBの声明でも、「アップルは『アップストア』支配を利用して反競争的行為を行い、アプリ開発者や中小企業を犠牲に自社の業績に恩恵をもたらしている」と批判。また、これまで、米有力紙への意見広告などを通じて「多くの中小企業が今後、ターゲット広告で顧客に到達できなくなる」などとして、中小企業に賛同を呼びかけてもいる。

   ただ、FBは2020年に9兆円近い広告収入を上げ、グーグルと合わせて世界のネット広告の5割を占める「巨人」だけに、「何の皮肉もなく自らを弱者(中小企業)の代表とみなしている」(ウォールストリート・ジャーナル日本語電子版1 月 29 日)と皮肉る声もある。

   FBはまた、独禁法違反での提訴については、公式には実施する・しないの明言を避ける一方、アップルの新たな規制に先立って、自ら利用者向けに通知する方針を打ち出した。個人に合った広告が表示される利点や、広告に頼る小規模企業を支援することにつながる、といったことをPRする見通しで、アップルの新たな規制で利用者が動揺する前に同意を得ておこうという狙いだ。

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