「東はマック、西はマクド」のマクドナルドをめぐる名称問題が、改めてクローズアップされている。
日本マクドナルドの社長や会長、ベネッセホールディングスの会長兼社長を歴任し、ゴンチャジャパンの社長=休職中=を務める原田泳幸容疑者(72)をめぐる報道で、原田元社長のマクドナルド時代の肩書きが、地域によって「マック」「マクド」と分かれているのだ。
地域情報サイト「Jタウンネット」の読者投票では、近畿圏・四国の8府県で「マクド」が優勢だった。全国の新聞紙面ではどうだったのか。
読売・産経が大阪本社版で「マクド」
原田社長の逮捕が報じられたのが2021年2月6日。2月7日朝刊を見たツイッター利用者から、地域によって見出しに「マック」「マクド」の違いが出ているという指摘が相次いだ。
多数の新聞を読み比べて「時事芸人」として知られるプチ鹿島さん(50)も、サンスポの東京版が「マック」、大阪版が「マクド」になっていることを比較しながら「ほんとだ!」と驚嘆した。
では、全国の紙面の様子はどうか。各社が提供しているデータベースや、有料データベース「日経テレコン」などで傾向を調べた。
確かに全国紙の一部では「東はマック、西はマクド」の傾向がうかがえる。産経新聞は東京本社版が「マック元社長、妻暴行疑いで逮捕」だったのに対して、大阪本社版は「マクド元社長、妻に暴行疑い逮捕」。読売新聞も、大阪本社版は「マクド元会長 妻に暴行容疑 警視庁逮捕、否認」で、残りの本社や支社(北海道、東京、中部、西部)は「マック元会長 妻殴った疑い 警視庁逮捕」だった。全国紙で「マクド」が確認できたのは、この2紙のみだった。
地方紙で唯一「マクド」採用したのは...
毎日新聞は大阪本社版で逮捕の報道が確認できず、東京本社版で「暴行:マックHDの元社長を逮捕 妻への暴行容疑」、西部本社版で「暴行:マクドナルドの原田元社長逮捕 妻への暴行容疑」とした。朝日新聞は「元マクドナルド会長」(東京)、「マクドナルド元会長」(大阪、西部)、「マクドナルドの原田元会長」(名古屋)と書きぶりが分かれたが、略さずに「マクドナルド」とした点では共通している。
地方紙はブロック紙を含めて12紙が紙面で逮捕を報じている。そのうち8紙(岩手日報、静岡新聞、中日新聞、四国新聞、愛媛新聞、熊本日日新聞、琉球新報、沖縄タイムス)が「日本マクドナルド」または「マクドナルド」を使い、3紙(東京新聞、中国新聞、徳島新聞)が「マック」。
「マクド」を採用したのは、北海道新聞の「日本マクド元社長 妻暴行容疑で逮捕」のみだった。
地方紙は通信社から配信された原稿を掲載することが多いが、2月6日の通信社原稿は、いずれも「マクドナルド」。各紙が通信社の見出しに影響されたということでもなさそうだ。
「日本マクドナルド元社長を逮捕―妻に暴行容疑」(共同通信)
「マクドナルド元社長を逮捕=妻に暴行疑い―警視庁」(時事通信)
なお、Jタウンネットが15年10月から16年2月にかけて「マクドナルドの略称、『マック』?『マクド』?」をテーマに行った読者投票では、滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山、香川、愛媛の、近畿圏・四国8府県で「マクド」が優勢だった。三重、鳥取、徳島、高知の4件で両者が拮抗し、残りの都道県で「マック」が優勢だった。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)