「加害者を守りたくて、この発信をしたわけではありません」
公判から3日後、松永さんはブログなどで裁判傍聴人に向けて「お願い」を発信。法廷内での「過激な言葉」を控えるよう呼びかけるもので、松永さんは次のような思いを綴っていた。
「私は、加害者が社会のルール通りに裁判で裁かれることを望んでいます」
「今回のようなことが今後も起きてしまうと、裁判の進行に支障が出てしまい、裁判が出来なくなる可能性もあります。そうなることを私は望んでいません」
「傍聴人の方個人を責める意図の発信ではありません。今後裁判が円滑に進む事を願っての発信です。裁判を傍聴支援してくださる方々や応援してくださる方々には心から感謝していますが、今後傍聴される方はどうか、ご理解とご協力をお願いいたします」
ブログでの発信は、あいの会代表・小沢さんと話し合って決めたものだという。コロナ禍で裁判が思うように進まず、加害者の高齢による裁判時間の制約もある中で、裁判を長期化させないための決断だった。ただ、傍聴支援者や、自身を応援してくれる人もいる中で、今回の発信をすることには「迷い」もあったと語る。
「2人の死を悼み、僕たち遺族の無念を思うからこそ出た言葉であろうということは、理解しています。やっぱり、勇気は要りました、これを発信するというのは。ただ、(今回の件は)私が望んでいることとは、ずれてしまう。私は加害者を守りたくて、この発信をしたわけではありません。裁判中の秩序を乱さず、ただ『真実を知る』という目標にたどり着きたいからこそ、発信したものでした」
「1回目の公判の前に、私の両親、沖縄の親族と『(加害者を)目の前に見ることになるから、心が痛くなるかもしれないけど、ここは我慢しようね、という話をしました。この日本という国で、加害者を裁くのは裁判所だけ。だから、ちゃんと裁いてもらうために、私たち遺族も、ルールを守ってやろうと決めています」