2021年2月9日に政府官報で発表された、1月30日付の紺綬褒章の受章者。発表された中には歌手の浜崎あゆみさん(42)の名前があったが、これに対し、ネット上では「偉いよ。ただただ偉い。なかなかできることじゃないよ」といった絶賛の声が相次いでいる。
2020年に1000万円を寄付していた
内閣府のウェブサイトを見てみると、紺綬褒章は「公益のため私財を寄附した方」に贈られるとの説明がある。今回の発表を見ても「公益のため多額の寄付をした」との記述があり、受章理由が寄付行為であることが明らかにされている。事実、浜崎さんに関しては2020年に、新型コロナウイルスに関連して国立国際医療研究センターに1000万円を寄付していたことが報じられているのだ。
このため、ネット上には前述のものの他にも「ほんと頭があがらないですね。人のために私財を使う。素晴らしい事だと思います」といったツイートがなされるなど、やはり、今回の浜崎さんの受章への称賛の声が上がっているのだが、その一方で、「浜崎あゆみさんは昔から災害がある度に寄付していらっしゃいます」といった声が上がっているのだ。
東日本大震災、そして、熊本地震の際にも...
今をさかのぼること10年。2011年に浜崎さんは東日本大震災発生を受け、日本赤十字などに計3500万円を寄付。他にも、全国ツアーでチャリティーTシャツを販売するなど、被災地への支援活動を行っていたのだ。また、2016年の熊本地震の際には、炊き出しへの参加はもちろん、支援物資の振り分け作業を行うことを表明し、その作業をスタッフに指示するなど、寄付以外の面でも被災地支援を実施。これら、寄付行為に留まらない慈善活動はファンから高い評価を受けていたのだ。
さらに、これらの行動は決してその場その場での思い付きではなく、本人の確固たる信念で行われている点も注目すべき点だ。1995年に発売された浜崎さんのイメージビデオ「Ayumi Hamasaki Special」で、まだエイベックス入りする前の浜崎さんは、「夢」というトークコーナーで将来の夢について語っているのだが、そこで慈善活動について語っているのだ。
その内容は、
「今のこの年で、そういう福祉のこととか言うのはね、あんまり好きじゃなくて」
「私が今の時点で、ボランティア活動をしようとして募金箱を持って道に立ったとしても、『何やってんだ、こいつ?』『本当にこれを送るのか?』って、たぶん思われちゃうと思うのね。だから、そういうのすごい悔しいじゃない?」
「(でも、自分が有名になった後なら)『浜崎がやるなら、ちょっと手伝ってみよっかな』ってね、思ってくれる人が、出てくるんじゃないかなーと思ってる」
と、現時点では無理でも、将来的には自らの知名度を生かして慈善活動を行っていきたいというものだった。まさに、大物歌手となって以降、その言葉通りに慈善活動を展開してきた浜崎さんだが、今回の受章はまさしく、その活動が広く人々から認められたがゆえの受章と言えるのではないだろうか。
(J-CASTニュース編集部 坂下朋永)