「ゆうちょはん、お客様は全員聞こえるとは限りまへんで!」――。ゆうちょ銀行のスマートフォン向けアプリをめぐり、聴覚障害者には電話での本人確認が困難だとの訴えが、SNS上で拡散している。
ユニバーサルデザインの観点から対応を求める声が上がっており、同社は取材に「お客様への周知方法も含めて対応を検討していきます」と答えた。
「わたしも同じ立場で困ってました」
訴えは、2021年2月8日にツイッターに投稿された。ゆうちょ銀行アプリを利用したところ、電話で本人確認をする「IVR認証」をする必要があったが、耳が不自由なため難しく、「ゆうちょはん、お客様は全員聞こえるとは限りまへんで!」と投げかけている。
IVR認証は自動音声でパスコードが伝えられ、アプリ上で入力が求められる。ゆうちょ銀行以外のアプリでも導入されている。昨年秋に発覚したNTTドコモの電子決済サービス「ドコモ口座」の不正出金事件を機に、セキュリティ強化の一環で複数の銀行で導入が進んだ。
ゆうちょ銀行では3アプリ(ゆうちょ通帳アプリ、ゆうちょ認証アプリ、ゆうちょPayアプリ)で導入しており、口座登録の際に必要となる。
同社への陳情を含んだツイートは3万9000リツイート、3万2000いいね(2月10日夕現在)と反響を呼んだ。「わたしも同じ立場で困ってました」「私も諦めた。頼みにくい泣」と同意する意見が少なくなく、不便だった利用者が一定数いるとみられる。
どうすれば認証できる?
ゆうちょ銀行広報部は10日、J-CASTニュースの取材に、ツイートは把握しており、「まずはご不便おかけしたこと誠に申し訳ございません」と謝罪した。
同様の問い合わせは過去にもあり、「ご家族など代理の方に確認していただくほか、ゆうちょ銀行や郵便局にお申し出いただければ社員が確認コードを聞き取って、お客様にお伝えさせていただきます」
だが、こうした案内は積極的に周知できていなかったという。公式サイト上の専用窓口(https://www.jp-bank.japanpost.jp/contact/ctt_support.html)から問い合わせがあれば、案内する形だった。
「今回の事案を受けまして、お客様への周知方法も含めて対応を検討していきます」(広報部)
ゆうちょアプリを使おうとしたら、悲しい画面が。
— GO@Deaf (@go_go_aheadman) February 8, 2021
耳聞こえなくて、電話でけへんねん、わい。
メール認証じゃあかんのですか?
ゆうちょはん、お客様は全員聞こえるとは限りまへんで!
それに個人情報入ってるので聞こえる方には頼めません。
ゆうちょ関係者にこのツイート届いて欲しいのでRT歓迎。 pic.twitter.com/Fn2ps97NPq