「人々が生き物を知るきっかけ」に
そんなリュウグウノツカイを短い時間ながらも展示に踏み切った理由について、担当者はこう述べる。
「水族館には生き物の生態調査・研究を行う役割や、人々が生き物を知るきっかけを作るという役割があります。そこで今回リュウグウノツカイを展示することに決めました」
城崎マリンワールドではいくつかリュウグウノツカイの標本を保存しており、最も大きいものは4メートルもある。しかし深海魚であるリュウグウノツカイの生態についてはまだわかっていないことが多いという。
どんなものを食べているのか、どういう体の構造をしているのか、そういったものを知る手掛かりになってほしいという思いから初めての生体展示を行った。
「体表の傷、鰭の損傷がありましたが、今まで搬入した個体の中では一番状態がよかった。今回の個体は、いろいろな部位の観察を行い、標本として保存しています」
続けて、こう話した。
「多くの方がこのリュウグウノツカイに興味を持って頂いていることに驚きました。リュウグウノツカイ等様々な海の生物に興味を持って頂き、彼らの棲む環境のために少しでも考えて頂けると嬉しいです」