「時間はかかったとしても...」 松井珠理奈がJ-CASTに明かした、アイドル卒業後の「最終目標」

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【松井珠理奈さん「卒業」1万5000字インタビュー(4)】

   SKE48の松井珠理奈さん(23)は、2020年2月にグループからの卒業を発表し、同9月の卒業コンサートを経て10月の劇場公演で卒業することになっていた。だが、コロナ禍の影響で卒業コンサートや、卒業そのものも延期に。21年2月3日には、珠理奈さんにとって「卒業シングル」となる、約1年ぶりのシングル「恋落ちフラグ」のリリースを迎えることになった。

   最終回のインタビュー第4回では、現時点で考えている卒業コンサートの演出プラン、今後のグループを託すことになる後輩への思いなどを聞いた。卒業後、どんな活動を目指すのかについても語ってもらった。(聞き手・構成:J-CASTニュース編集部 工藤博司)

  • SKE48の松井珠理奈さん。卒業後の展望についても語ってもらった
    SKE48の松井珠理奈さん。卒業後の展望についても語ってもらった
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卒コンで「ダブル松井」復活なるか

―― 20年9月に予定されていた卒業コンサートが延期になっています。やりたいことや、すでに決まっていることがあれば、お聞かせください。

松井: 自分の中でやりたいのは、同期のSKE48の1期生、卒業したメンバーを呼んで(編注: 珠理奈さん以外の1期生は全員卒業している)何曲か歌いたいな、というのはありますね。10周年か何かのとき、当時の支配人が「1期生みんな集めて同窓会公演やります」みたいなことを言っていたのですが、結局実現できなくて...。ファンの方もすごく楽しみにしてくれていたこともありますし、最後に私がやらないとやれる人がいなくなってしまうので、「使命を託されているのかな」と勝手に感じたりしています。あとはもう、本当に楽しみたい、みんなで素直にあの頃を思い出して歌いたいです。昔から応援してくれてるファンの方も、「最近はSKE48見てないけど...」という方も、ぜひ足を運んでくれたら嬉しいですね。

―― SKE48の歴史を振り返る感じになりそうですね。珠理奈さんの直前に卒業した1期生は大矢真那(まさな)さん(30=17年卒業)でしたね。大矢さんがいらっしゃったり、久々に松井玲奈さん(29=15年卒業)との「ダブル松井」が久々に見られたりとか...。

松井: そうですそうです!玲奈ちゃんは、来てくれるのかどうか...という感じなんですけど(笑)、一応みんなに声はかけることにしています。

―― 今は天下の朝ドラ女優ですからね...!(編注:松井玲奈さんは、NHKの朝の連続手テレビ小説では「まんぷく」と「エール」に出演) 1期生の集結も注目ですが、若手の起用についてはどのように考えていますか。20年10月の取材では「次のセンター」が分かるような演出を考えている、とも話していました。先ほどの「Black Pearl」の話ともリンクしますが、若手が突然センターに出てくる、といったことも期待していいのでしょうか。

松井: あるかもしれませんね...!でも何だろうなぁ。難しいですね。あんまり全部言っちゃうと良くないので難しいんですけど...。今までの卒業コンサートは、やはり卒業する人が「完全メイン」みたいな、卒業する人の曲が多く流れて、「全部自分で出る」といった感じになることが多かったです。それもいいのですが、やはりSKE48の未来を感じられるような内容にできたらいいな、とは思っていますね。

―― 色々な方の卒業コンサートを取材させていただきましたが、確かに卒業する方が「出ずっぱり」になることが多かったですね。もちろん卒業する人が一番フォーカスされるべきなのでしょうが、珠理奈さんのコンサートの場合は、色々な人に出番を分配するような感じにもなる、といったところでしょうか。

松井: そうですね、そうなったらいいとは思っているので、ぜひ、私のファンの方以外にも見ていただきたいですね。自分の推しメンが、「あっ、こんなことになってる!」という可能性もあるので。(笑)

1期生がいなくなるのを機に「どんどん新しいことを」

SKE48の後輩メンバーには「どんどん新しいことをやっていってほしい」と話す松井珠理奈さん
SKE48の後輩メンバーには「どんどん新しいことをやっていってほしい」と話す松井珠理奈さん

―― 珠理奈さんはこれまでSKE48の顔としてグループを背負ってきた面があったわけですが、今後はその役割を後輩メンバーにバトンタッチすることになります。「Black Pearl」では「周りからの批判や反対のようなものを跳ね返して何度でも立ち上がれ...」というコンセプトを掲げていました。「後輩には、こういう風に頑張ってほしい」「グループ全体が、こう発展してほしい」といった思いがあれば、お聞かせください。

松井: 何を伝えたいか...、そうですね、SKE48は(自分の卒業で)1期生がいなくなります。初期メンバーがいなくなるのをきっかけに、どんどん新しいことをやっていってほしいと思います。SKE48の12年の歴史の中で色々なことをやってきましたが、それでも今までやってこなかったこと、新鮮なことを、見てくれている方や世間の皆さんは求めています。アイドルに限らず、芸人さんや、さまざまな業界でそうだと思います。SKE48が諦めないようにいろいろなことに挑戦して、その挑戦する姿で皆さんにパワーを与えてほしいと思います。

―― 20年2月7日に卒業発表した直後の動画配信番組では、「本当に丸っきり生まれ変わって、SKE48第何章かもう分からないけど、やってほしいなというのはすごく思った」と話していました。これまでの取り組みの枠にとらわれることなく、活動の幅を広げてほしい、という意味ですね。

松井: みんないろいろなことに挑戦してほしいというのはもちろんですが、個々のメンバーが強くなってほしい、という思いがあります。それぞれが何か得意なことや特技を増やして、アイドル活動以外の分野でも戦えるようなもの、武器を身につけてほしいです。例えば(古畑)奈和ちゃん(24)だったらサックスが吹けるとか...。自分の特技を生かしたお仕事ができると、まだSKE48を知らない人にも知ってもらえるきっかけになるかと思います。

「早替え」と切っても切れない「赤ピン」、歌い継ぐのは...?

松井珠理奈さんのソロ曲「赤いピンヒールとプロフェッサー」(赤ピン)は「早替え」が特徴だ(2019年1月撮影)
松井珠理奈さんのソロ曲「赤いピンヒールとプロフェッサー」(赤ピン)は「早替え」が特徴だ(2019年1月撮影)

―― 48グループで有名なメンバーが卒業するとなると、その人が持っていた「代表曲」を誰が歌い継ぐか、も関心事です。大島優子さん(32=14年卒業)であれば「ヘビーローテーション」、指原莉乃さん(28=19年卒業)であれば「恋するフォーチュンクッキー」...。珠理奈さんであればソロ曲「赤いピンヒールとプロフェッサー」(15年、通称「赤ピン」)が、これにあたると思います。以前、ひとりの観客としてSKE48劇場にうかがったときは、大矢真那さんが大変見事なパフォーマンスをしていました。特に「赤ピン」を歌い継いでほしい人はいますか。

松井: 「赤ピン」ですか...難しいですね、それは。(珠理奈さんや大矢さんが所属していた)「チームS」の公演では、毎回「赤ピン」を披露するメンバーが変わるということをやっていました。いろいろなメンバーにソロ曲のパフォーマンスを経験してほしかったからです。そういった面も卒業コンサートでは見せられるようにしたいと思っています。やっぱり。一番やりたいと思ってくれる人がやってくれるのが幸せですね。

―― 「赤ピン」は、中盤で衣装を「早替え」するのが印象的です。SKE48の衣装を紹介した書籍「SKE48衣装図鑑 全力制服」(18年、宝島社)が発売された際、衣装デザインを手がけている茅野しのぶさんにインタビューしたのですが、「珠理奈は早替えが上手」と話していました。

松井: 確かに失敗したことないかも...!

―― 茅野さんはインタビューの中で、珠理奈さんが休養から復帰した直後の18年9月のコンサートで「早替え」すべきか迷っていたので、
「いや、珠理奈は早替えしないとだよ。『赤ピン』やるときは、一生早替えした方がいいよ。もし珠理奈が卒業するとなったら、『赤ピン』で死ぬほど早替えするとか、『赤ピンと言えば早替え』にした方がいい」
と背中を押したというエピソードを紹介していました。「赤ピン」と「早替え」は切っても切れないわけですが、「早替えの上手いメンバーに歌い継いでほしい」といった気持ちはありますか。

松井: 確かに...。先日、自分のYouTubeでも「赤ピン」の舞台裏のようなものを紹介したのですが、「赤ピン」では、毎回振付を途中で少し変えたりしています。バック転をしたこともありました。毎回新鮮な気持ちでパフォーマンスをしてくれる子にやってほしいという気持ちはありますね。引き出しが多い子。何かいろいろ挑戦したいと思うような、可能性がある子にやってほしいです。

時間はかかったとしても「海外でも活動できる人」に

―― 最後に、グループ卒業後についてうかがいます。どういう形で活躍していきたいですか。卒業発表直後の動画配信番組では、
「本当にいろんなことをやりたいから、『これ一本』というのは今はあんまりないんだけど、歌って踊っているところを観るというのが好きな人が多いから、それは続けていきたい」
「握手会とかもなくなると寂しい。そういう近くで会えるイベントはやりたいと思っている。だから『女優でいきます。だからファンイベントとかはしません』とかそういうのはない」
と話していました。

松井: 「ファンイベントはやらない」ということは、絶対ありません。ぜひ、今後も続けて、アイドル時代は出せなかった自分を出していきたいです。ずっとSKE48に集中して活動してきて、その他のことをあまりやってこなかったので、もっと自分が勉強したいと思うこともいっぱいあるし、もっと実力をつけなければいけないとすごく思います。卒業したら少し時間ができると思うので、いろんなことを勉強して、学んでいきたいです。SKE48というグループにいて、(物事の)結果はすぐに出るものではないということは痛いほど実感してきたので、時間はかかったとしても、自分が最終的に目標にしている、海外でも活動できる人になりたいと思っています。

松井珠理奈さん プロフィール
まつい・じゅりな 1997年生まれ、愛知県出身。2008年にSKE48の1期生としてデビュー。直後にAKB48のシングル「大声ダイヤモンド」に前田敦子さん=12年卒業=とともにダブルセンターに抜擢。SKE48でも多くの楽曲でセンターポジションを務め、松井玲奈さん=15年卒業=とともに「W松井」「JRコンビ」と呼ばれ、グループの顔として活躍した。12年から15年にかけてAKB48と兼任。18年に行われた「AKB48 53rdシングル 世界選抜総選挙」で初めて1位に選ばれた。20年2月にSKE48からの卒業を発表している。

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