その体は微動だにせず、目の演技が光る
「シン・ゴジラ」終盤、東京駅前に居座るゴジラを倒す「ヤシオリ作戦」を敢行すべく、長谷川さん演じる矢口蘭堂官房副長官は、東京・北の丸公園内にある「科学技術館」の屋上で作戦を指揮。部下を従えながら光線を放つはるか遠くのゴジラを見つめつつ、作戦の進行を静かに見守っていたのだ。時折、周囲の部下に指示は出すものの、その体は微動だにせず、ゴジラのいる方向を凝視。無事、ゴジラを「冷温停止」に追い込むと、やはり、静かに勝利に打ち震えたのだった。
なお、両シーンを知る視聴者からは、
「長谷川博己さんは、目の演技がすごい。目がすごく語る。シン・ゴジラを見たとき、目による感情表現が忘れられない印象を残した俳優さんだったんだけど、麒麟もそうでした」
といったツイートも上がっていた。確かに、本能寺の変のシーンでは戦況を鋭い目つきで見据える長谷川さんの演技が光っていたほか、「ヤシオリ作戦」の最中の長谷川さんは放射線防護服とガスマスクに身を固めており、ゴーグルをかけて両目の部分しか外部からは視認できない状態で、その眼光で演技していたのだ。
また、「麒麟がくる」のその後の展開も、どこか「シン・ゴジラ」を彷彿させるものがあった。信長を討ち、引き揚げようとする光秀の元に駆け寄ってきたのは、尾野真千子さん(39)演じる伊呂波太夫。「明智様なら、美しい都を取り戻してくださると(思っています)」と声をかけると、光秀は「必ず、麒麟がくる世にしてみせる」と返答。戦乱が続く世を平定し、穏やかな国に現れるとされる麒麟を呼んでみせるとするそのシーンは、ゴジラを倒したのち、荒れ果てた首都と政府を復興させる決意を新たに、科学技術館の屋上でカヨコ・アン・パタースン(石原さとみさん=34)と語り合うシーンと重なるものがあったように思える。