助っ人外国人「合流遅れ」で「トレード補強」も選択肢? 来日できても2週間隔離...問われる球団の手腕

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   プロ野球の春季キャンプが2021年2月1日、各地でスタートした。今年は新型コロナウイルスの影響でキャンプに合流出来ない外国人選手が出てくるなど異例のキャンプインとなった。新外国人選手に関して来日のメドが立っていない球団もあり今後については不透明だ。このような状況はチームにどのような影響を及ぼすのか。

   J-CASTニュース編集部は、巨人、楽天などでコーチを務めた橋上秀樹氏(55)に分析してもらった。

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「来日が遅れることでマイナス面が出てくる可能性も」

   橋上氏は初来日する外国人選手にとって春季キャンプとは、日本の食生活や文化に慣れるための重要な期間であると指摘する。

「キャンプはチームの連携やサインプレーを確認する場でもあるが、一番大きいのは日本人選手とコミュニケーションをとること。キャンプの期間に集団生活するのは非常に大きなことで、日本の生活習慣、文化に慣れるためにも大切です。野球の技術を調整するよりは、食事を含めて日本の生活に馴染ませるための調整期間という意味合いが強い。短期間で馴染める選手もいれば時間をかけても馴染めない選手もいるが、来日が遅れることでマイナス面が出てくる可能性もあるでしょう」(橋上氏)

   外国人選手のキャンプ合流に関して現状、12球団の中でばらつきがある。セ・リーグでいえば、21年2月4日時点で阪神は新戦力チェン・ウェイン投手(35)を含めた5人の外国人選手がキャンプに合流しているが、DeNAの外国人選手はキャンプに間に合わず調整の遅れが懸念される。

「他球団の調査をせざるを得ない状況に...」

「新外国人に関しては来日が不透明な状態です。来日出来ないということはないでしょうが、この状況では色々なところを見直さなければならない。キャンプ、オープン戦を通じてチーム内の戦力の見直しを図るのか、それとも他球団とのトレードで補っていくのか。他球団の調査をせざるを得ない状況にあると思います。外国人選手に依存しているなかで、攻撃力があまりにも足りないというチーム、投手力の足りないチームが出てくるでしょう。そのなかで野手と投手のトレードが出てくる可能性もあると思います」(橋上氏)

   また、橋上氏は外国人選手が来日後に課される2週間の隔離期間をいかに過ごすかが重要だと指摘する。

「来日出来ない状況よりも来日してから隔離されている時間のほうが、自由がきかないと思います。異国の地で隔離されれば心細くなるでしょうしストレスもたまるでしょう。この期間に球団がどれだけ選手をケア出来るか。隔離がどのような環境なのかは想像がつかないが、かなりの制限がつくことが予想されます。慌てて調整するとケガのリスクが高まりますし、球団の柔軟な思考、手腕が問われると思います」(橋上氏)

「新たな戦力を発掘する可能性はある」

   外国人選手の来日の遅れは球団にとっては頭の痛い問題となる一方で、外国人選手とレギュラーの座を争う日本人選手にとってはキャンプ、オープン戦は絶好のアピールの場となるだろう。

「球団としては外国人選手に大金を払って契約したわけですから活躍してもらわないと困りますが、外国人選手の来日が遅れることによってチャンスとなる日本人選手はいる。トレードによって日の目を見る選手が出てくるかもしれませんし、これはプラスに考えても良いと思います。新たな戦力を発掘する可能性はあると思います」(橋上氏)
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