視聴者は情報リテラシーが不可欠
影響力のある発信者として、ユーチューブで陰謀論が広まった状況をどう見ていたか。
「正直に言うと何が陰謀論だったかは明言したくありません。いまだに『トランプさんがここから巻き返す』と言う発信者もユーチューブ上にはいます。その人に『まだ言っているのか』とは思っていません。基本的に僕はトランプさんを応援したいので、勝ってくれるならそれに越したことはありません。そうした願いはありますが、それは受け手としてはありでも、確証なく発信してしまうのは良くない」
「なので、僕の動画では本当に事実として起こったことだけを扱いました。不明確な事柄に関してはわからないとの態度を貫いていたと自分では思っています。真偽がいまだにわからないものはわからないと言いたいです」
仮に発信側が真偽の判断を保留したとしても、受け手が真に受けてしまう可能性もある。佐倉さんの動画のサムネイルでは「米民主主義崩壊 絶対に諦めない」「(バイデン氏は)勝利宣言取り消さなくて大丈夫???」などと扇情的なものが散見される。コメント欄でも感情的な書き込みが少なくない。
この点については「トランプさんたちが言っていることをすべて陰謀論として片づけるのは違和感が拭えません。そうした思いを伝えるつもりでやっていました。それを早とちりして変に受け取ってしまった視聴者もいたかもしれません。それによってデマを拡散したユーチューバーと捉えられたとしたら仕方ないかなと思っています」との見解だ。
「すべての情報を100%精査するのはできないはずです。だから発信者としてのハードルというか、この情報を出していい、出してはいけないと基準は設けておくべきだと思っています。ハードルの決め方は発信者それぞれですし、よく言われていることですが視聴者にも責任はあると思っています。もちろん発信者が一番慎重でなければならないです」