「試合のない時にいかに節制するか」
選手のコンディショニングについて広い見識を持つ金平会長が、衝撃を受けたのがロシア式の指導法だという。金平会長はロシアの大学に留学した経験を持ち、コンディショニングについて学んだ。1989年には協栄ジムにロシアのトップアマが入門。トップアマの選手らは「ペレストロイカ軍団」と称され、そのなかには後の世界王者・勇利アルバチャコフ氏やオルズベッグ・ナザロフ氏らがいた。
「ロシアの選手はコンディショニングの意識が非常に高く、コーチの指導も科学的でした。今からみれば古いと思いますが、1989年当時はみな驚いていました。コーチの指導は細かく、練習の合間に選手の脈拍をはかって体調を管理したり、練習前に決められた体重を維持していなければ練習をさせないほど徹底していました。減量に関しても独自の考えを持っており、ほとんど減量はさせませんでした。試合のない時にいかに節制するかという考えでした。そして週に1度、サウナの日というのがありました。練習をせずにサウナに入ってリラックスする日です。ユニークなものでしたのでよく覚えております」(金平氏)