「高知さん、情報が偏りすぎてますよ!」
――そうだったんですね。ただ、芸能人って「オカルト耐性」が高いようにも感じますが......。
高知:今思うと、ちゃんちゃらおかしいんですけど、20数年にわたってエンターテイメントの世界で生きて来た以上、「世界の真実」といった番組だってエンターテイメントの一部だっていうのは分かってたはずなのに、なぜか、ちょっと、そこにはまってしまって、得られる情報に対し、「マジかよ......」といった真正面からの反応をしてしまい、その結果、妄想が膨らんで、これらの妄想がパズルのように組みあがってしまい、その肥大化した妄想にとらわれてしまったんですよ。YouTubeは「関連動画」がこれでもかと表示されますし、SNS上で検索すると、これまた自分の意見と似ている意見ばかりが引っ掛かりますから、どんどん偏りが加速していってしまったんです。
――確かに。YouTubeを見ていると、その情報量の多さに頭がクラクラしそうになりますよね。
高知:ただ、そのような状態になってしまってはいたんですが、そんな中、これらの膨らんでしまった妄想をふと自助グループに参加した際の雑談で話した際に、「高知さん、情報が偏りすぎてますよ!」「『真実を伝える』と謳ってる番組だって、エンターテイメントの一部ですよ! 長年芸能界で生きてるんだから、その仕組みだって分かってるでしょ!」と言われ、「あっ! そうだそうだ!」とふと我に返ることが出来たんですよ。
――なるほど。他の人に話したことがきっかけで我に返ることが出来たというのは、分かるような気がします。
高知:僕らの年代って、すでに分別が付く年齢になってからインターネットが出てきたり、携帯電話をガラケーの時代から使ってきているから、なまじ、「自分にはネットリテラシーがある」と思ってる人って多いと思うんですよ。でも、それは大きな勘違いでしたね。以上の顛末を、率直な気持ちでツイートしてみたら、大反響を受けてしまったんです(笑)。