「トランピアン」を自負
須田さんのチャンネルは、話題の政治ニュースに独自の解説を加えたスタイルが人気を博す。
政治系ユーチューバーの利点を「政治系は生もので、常に動いていて変化がありますのでネタが尽きることがありません」とし、加えて「陰謀論的なチャンネルは、(私以外の)他チャンネルも意外と高評価率が高いと思います。なぜなら、わざわざ動画を見にきている人たちは、そうした情報が欲しいという目的で見にきているから」と解説する。
自身の政治観を問うと、特定の思想は持っていないという。日本の政治家では、既存政党への不満から「れいわ新選組」の山本太郎代表、「NHKから自国民を守る党」の立花孝志党首を特集する動画や、安倍晋三前首相の功罪をあげつらう動画を投稿していた。
ただし、米政治においては「トランピアン」を自負し、熱烈な共和党支持者だと明かす。
「これほど不正選挙の証拠がネット上では報道されているのに、主要メディアは相変わらずトランプ攻撃でありバイデンさんを支持するような報道ばかりと非常に偏っています。私はトランプさんの考え方や、この4年間で公約をほとんど実行してきた点を評価しています。公約で立派なことだけ言って、選挙で立派なことをのたまって、当選すれば『なんだったんだあれは』という政治家が多い中で、トランプさんは有言実行な方だと思っています」
バイデン新政権発足後も、動画では選挙での不正を言い募っており、「どんなに悪いことをしてもバレなきゃいい。もしバレても裁く連中を脅迫や買収で取り込んでしまえばいいのだ。つまり、何でもありなのだと世界中にさらした」と訴えていた。
もっとも、「私がユーチューバーでなければここまで真剣に彼を応援するかというと、おそらく客観的に見ているだけになったと思います。やはり今、彼を取り上げるのが視聴数の増加につながりますので、ユーチューバーとしては一つのネタとして扱いやすい」との思惑があることも付け加えた。
須田さんによれば、米大統領選をきっかけに、トランプ支持者の気持ちを斟酌(しんしゃく)した動画を連投する「パッと出のユーチューバー」が雨後の筍のように現れた。目的は広告収益だと推測する。
「特にトランプに動きがなかったとしても、何らかの材料を作り上げて動画を上げる。なぜなら、日々動画を上げるとチャンネルが非常に強くなり、登録者数も増えてオススメ動画に出やすいんです。なので、彼らは内容は二の次です。トランプに対して前向きな動画の中にはガセネタも相当入ってきていると思います。私も100%とは言えないかもしれませんが、かなり調査をして確信が得られた時に上げているので、ペース的には週に1、2回上げればいい方です」
須田さんが指摘するように、それまでは政治とは無縁だったチャンネル(芸能ゴシップ、ゲーム実況、スピリチュアル、語学系など)が、米大統領選を機に"政治系"に転身した例が見つかる。