二度の緊急事態宣言を乗り越えて... 宝塚雪組トップ退団公演、休演ゼロで本拠地完走の快挙

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ベートーヴェン「第九」26年前との一致

   1995年1月の宝塚大劇場は、花組トップコンビの安寿ミラさん・森奈みはるさんの退団公演「哀しみのコルドバ/メガ・ヴィジョン」を元日から上演していたが、17日未明に発生した阪神・淡路大震災により同日以降の全日程が中止、次に予定していた月組公演も全日程中止となった。

   宝塚以外の地方公演は順次再開となったが、宝塚大劇場は95年3月31日に星組公演「国境のない地図」で再開されるまで約1か月半がかかったものの、公演再開は関西のファンに希望を与えた。

   ただし、トップ退団公演が中断となった花組公演は3月下旬に大阪・梅田の劇場飛天(現梅田芸術劇場)で同じ内容で代替公演を開催する。これは当初予定されていた細川たかしさんの公演を、細川さんの厚意により公演期間を短縮して譲ってもらったものだった。

   5月4日と5日には宝塚大劇場で安寿さんと森奈さんのサヨナラショー開催が実現し、退団イベントを終えることができた。代替公演とサヨナラショー開催はいずれもトップスターの退団という特別な公演をできるだけ観客に届けたいという関係者・ファンの努力が結実したものだった。

   また偶然の一致か、震災後の宝塚大劇場再開第1作「国境のない地図」は時代が違うものの「fff」と同じくドイツが舞台で、劇中でベートーヴェン作曲の「交響曲第9番」が印象的に用いられる。

   災厄の下でもファンに元気を与えた「第九」と舞台上のスターは、26年前のように語り草となるだろうか。望海さんと真彩さんの退団公演は、2月26日から4月11日まで東京宝塚劇場でも上演予定である。

(J-CASTニュース編集部 大宮高史)

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