ソロ曲ではプロジェクションマッピングを活用
―― 2曲目が卒業曲のソロ曲「Memories ~いつの日か会えるまで~」。ご自身で作詞されたそうですね。MVではプロジェクションマッピングを随所に活用し、過去のMVが背景や衣装のドレスに映し出されています。
松井: 先ほども話題になりましたが、表題曲は、あまり「卒業」という雰囲気ではありません。その分ソロ曲に関しては、みんなが少ししんみりするというか、「懐かしいな」とか「珠理奈は本当に卒業するのだな」といった実感がわくような内容にしたい、ということは元々考えていました。そこで「昔の映像を出すのはどうか」という話をして、過去のMVを投影してもらうことになりました。
―― 床には、目盛と西暦のようなものが描かれていますね。
松井: MVでは、自分が画面の奥から少しずつ前に進んでいくのですが、デビューした2008年から目盛にしたがって、その当時の映像が流れる仕組みです。
―― 少しずつ時代が過ぎていくわけですね。珠理奈さんが前に進むにつれて、珠理奈さんの歩みを振り返ることができる仕組みになっている。
松井: そうですそうです!歌詞にも「新しい旅に出るの」といったフレーズがあったりします。「無邪気に登ったあの階段」という歌詞は、「大声ダイヤモンド」(編注:08年発売のAKB48のシングル曲。デビュー直後の珠理奈さんが前田敦子さんとのダブルセンターに大抜擢された)のMVにある、階段を上るシーンをイメージしています。
―― 表題曲と対照的な曲調でしょうか。
松井: そうですね。ファンの皆さんに、自分がSKE48を好きになったときのことを思い出してもらって、「あっ俺このMV、この曲のときに好きになったな」とか、いろいろ振り返りながら見ていただけたらと思います。「思い出のアルバム」みたいな感じですね。
(インタビュー第2回に続く。2月7日掲載予定です)
松井珠理奈さん プロフィール
まつい・じゅりな 1997年生まれ、愛知県出身。2008年にSKE48の1期生としてデビュー。直後にAKB48のシングル「大声ダイヤモンド」に前田敦子さん=12年卒業=とともにダブルセンターに抜擢。SKE48でも多くの楽曲でセンターポジションを務め、松井玲奈さん=15年卒業=とともに「W松井」「JRコンビ」と呼ばれ、グループの顔として活躍した。12年から15年にかけてAKB48と兼任。18年に行われた「AKB48 53rdシングル 世界選抜総選挙」で初めて1位に選ばれた。20年2月にSKE48からの卒業を発表している。