個人投資家が結託、巨大ファンドに反乱... 米市場を揺るがした「ゲームストップ騒動」を解説する

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「個人だけが規制された」

   さらに、同様の動きは商品市場などに飛び火。個人投資家がSNS上で銀の買いを呼びかける動きが増え、ニューヨーク市場の銀先物3月物は28日に一時、前日比6.7%上昇、2月1日には約10%上がって1トロイオンス30.35ドルと8年ぶりの高値を付けるという「おまけ」もあった。

   だが、今回の個人投資家の売買の舞台となったネット証券「ロビンフッド」などは、1月28日に相場の乱高下を受けてゲームストップなど急騰する銘柄の取引を停止した。このため、個人の買いが途切れ、ゲームストップ株は同日、44%も急落した。

   ネット証券を利用する個人投資家が取引機会を奪われた一方、投資ファンドなどは影響を受けなかったことから、

「ファンドは自由に売り買いできるのに、個人だけが規制された」

との批判が巻き起こった。ロビンフッドは当初、「利用者の保護」を規制理由に挙げていたが、実際には、個人の取引急増で取引を決済する清算機関への預託金が不足したことが原因だったと報じられている。

   日本では仕手戦といって、特定株をめぐり、売買を仕掛けて吊り上げることが以前はあったが、今回は個人投資家がファンドを打ち負かしたとして、数年前にウォールストリートを占拠する運動と重ね合わせ「エスタブリッシュ(支配層)への反乱」と評価する向きもある。

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