都心店の「富裕層つなぎ止め」がカギ 三越伊勢丹HDの課題と「明るい材料」

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地方店の「健闘」

   もっとも、リポートでは「(短期的な株価回復の)あとはコスト削減の持続性とともに利益水準をコロナ前にどれほど近づけられるかが注目点」とも記しており、当然ながら株価回復の持続性には条件を付した。

   三越伊勢丹HDにとってもう一つ明るい材料を挙げるとすれば地方店の健闘かもしれない。地方店と言えばこれまで赤字で全体の足を引っ張っていたイメージだが今期はやや違う。2020年4~12月期の各店舗の売上高を前年比でみると、都心の旗艦店と言える三越銀座店が47.7%、三越日本橋本店が71.3%、伊勢丹新宿本店が69.6%であるのに対し、広島三越83.1%、高松三越80.0%、静岡伊勢丹79.3%と軒並み地方が都心を上回っている。コロナ禍の影響が相対的に大都市より小さかったということだ。もちろん、利益を引っ張るというほどではないにしても足を引っ張ってはいまい。とすれば都心の店舗で富裕層をどうつなぎとめるか、が今後のカギを握ると言えそうだ。

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