東京・秋葉原のヨドバシカメラAkiba店で、人気ゲーム機「プレイステーション(PS)5」が転売対策などのためにゲリラ販売されるとして、レジのカウンターに客が殺到し、警察も出動したとツイッター上などで騒ぎになった。
しかし、同社では、ゲリラ販売を告知したことはないと説明している。新型コロナウイルスの感染拡大が懸念される中、どうしてこんなことになったのだろうか。
アナウンスなどの発表はなく、ツイッター上から情報が拡散か
「痛い、痛い、痛い」「危ないって」。カウンターに殺到した客から、こんな悲鳴が上がる。店員からは、その動きを制止しようとして、「ちょっとバックしてもらえます?」と呼びかける声も聞こえ...。
この40秒弱の動画は、ヨドバシAkiba店を訪れたという「Dave Gibson(@AJapaneseDream)」さんが、2021年1月30日にツイッターに投稿したものだ。
GibsonさんにJ-CASTニュースが2月1日に取材して聞いたところによると、騒ぎが起きたのは、開店して間もなくの30日10時45分ごろだった。
Gibsonさんによると、PS5を販売するというアナウンスなどの発表はなく、ツイッター上から情報が拡散したという。店内で、番号付きのチケットが多数見えたといい、ヨドバシの販売パターンを伝えるアカウントがPS5「ゲリラ販売」の可能性を発信したのがきっかけではないか、とGibsonさんは言う。
ツイッター上では、カウンターが壊されたとの情報が出回ったが、Gibsonさんによると、レジのあるエリアが収納エリアに押し戻され、商品ディスプレイが破損して倒されたともいう。けが人が出たかは分からなかったが、警察がその10~15分後に来たとしている。
ヨドバシは、「販売の予定もありませんでした」と説明
ヨドバシカメラがPS5をゲリラ販売しているとの情報は、以前からツイッター上などで流れていた。
1月22日にヨドバシ横浜に行ったという「まさき(@makkyamaenbo)」さんは、取材に対し、この日15時30分にPS5のゲリラ販売に遭遇したと明かした。
ツイッターで販売開始の一報を見て、店内の別の場所から10分ぐらいで移動した。店員の指示で順番に並ぶと、すでに78番目になっていたという。ヨドバシのカードを持つ人を対象に、整理券を配っていたそうだ。
店は、転売に神経を尖らせており、まさきさんは、この様子を伝える動画も1月30日に投稿している。店員が商品名を聞いて言えなかった女性客に対し、「誰かに頼まれて並んでいる方や転売目的の方は、ご遠慮いただいている」として、列から離れるように促しており、ツイッター上で拡散して話題になった。
ゲリラ販売などについては、その是非を巡って、論議にもなっている。
「買う側に問題があるからこうなる」などと店を擁護する声も出る一方、「そんな売り方をしたら混乱が起こる事を何故予想できない」「ネット抽選で引き換えにしろよ」との意見も書き込まれていた。
ヨドバシカメラの広報担当者は2月1日、Akiba店でカウンターに人が殺到した騒ぎについて、取材にこう答えた。
「PS5を店内で販売したり整理券を配ったりするという告知はしていません。販売の予定もありませんでした。お売りするPS5はありませんとアナウンスする前から集まっていました。なぜ人が集まったのかは分かりませんが、うわさか何かで勘違いしたのだと思います」
警察は、ヨドバシ側が呼んだわけではないという。
Akiba店では、1月1日の元旦にPS5を店頭で販売したが、ゲリラ販売だったかは確認していないとした。他店でのことなども含め、詳しい状況は答えていないとしている。
なお、商品名を言えない客を排除したかについては、何も情報を聞いていないという。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)