外食は厳しいものの...ファストフードは伸長
外食も厳しい。日本フードサービス協会によると、20年の外食売上高は前年比15.1%減で、比較可能な1994年以降では最大の落ち込みになった。緊急事態宣言が発令された4月は前年同月比39.6%減に落ち込み、その後も回復することなく、12月の15.5%減まで3月から10か月連続でマイナスになった。業態別では、「居酒屋」が前年比47.7%減、「パブ・ビアホール」57.3%減と特にダメージが大きかった。その中で、ハンバーガーショップなどの「ファストフード(洋風)」だけは5.5%増とプラスを記録した。
居酒屋などは不採算店舗を閉鎖したり、業態を転換したりする動きも相次ぎ、「北海道」や「甘太郎」などを展開するコロワイドは4月から半年間で約2700店舗のうち約200店を閉店。ワタミは居酒屋を減らし、家族連れの利用が見込める焼き肉店への転換を進めているほか、持ち帰りに力を入れるなど懸命の努力が続く。
コンビニも20年の全店売上高が前年比4.5%減の10兆6608億円と、比較できる2005年以降で初めてマイナスを記録。日本フランチャイズチェーン協会が、セブン‐イレブン、ファミリーマート、ローソンの大手3社を含む主要7社のデータを集計したもので、コロナ下のまとめ買いにより来店客1人あたりの売上高は6.4%増えたものの、客数は10.2%減り、月別の売上高も3月以降、前年割れが続いた。
コンビニは長らく続いた大量出店で右肩上がりの成長を続けてきたが、店舗網がほぼ飽和状態になる中、人口減少時代を迎えて店員のアルバイト人件費の上昇などコストが上昇する一方、ドラッグストアなどとの競合激化で売り上げの伸びが期待できなくなっている。24時間営業などコンビニのビジネスモデルは曲がり角を迎えているといわれるだけに、コロナ禍が構造転換を加速させる可能性もある。