メジャーリーグのヤンキースからフリーエージェント(FA)になっていた田中将大投手(32)の楽天入りが2021年1月28日、正式に決定した。13年以来の日本球界復帰となる田中に大きな期待が寄せられる。田中がチームに加入したことでどれほどの戦力アップが見込めるのか。そして王者ソフトバンクを倒してリーグ優勝は...。
J-CASTニュース編集部は楽天でヘッドコーチを務めた橋上秀樹氏(55)に田中の加入がチームにもたらす効果について分析してもらった。
「投手陣にとって大きなプラスになると思います」
「田中選手の補強はチームにとって大きいが、田中選手ひとりの補強でソフトバンクをひっくり返せるかといえばそうはならないでしょう。戦力的にみてもソフトバンクを倒して優勝するというのはかなりハードルが高い。ただ、田中選手が加入することでチームにいい意味での波及効果があり、ソフトバンクとの力の差を縮められる可能性は十分あると思います」(橋上氏)
橋上氏は田中がチームに加入することで投手陣に大きな影響を与えると指摘する。なかでも則本昂大投手(30)にとって田中の存在は大きなものになるという。
「投手陣にとって大きなプラスになると思います。則本選手に関して言えば、田中選手が加入することで頼れる部分が出来ると思うし、自分のなかで安心感が出ると思います。色々と相談しやすいはず。昨シーズン、則本選手は期待に応えられませんでした。松井選手もそうでした。彼らが本来の力を発揮すればソフトバンクの対抗馬の一番手になることは間違いない。田中選手の波及効果で期待出来ると思います」(橋上氏)
「投手に限らずモチベーションが非常に上がると思います」
また、橋上氏は田中を獲得したことが、チーム全体のモチベーション向上につながるという。その理由について次のように説明した。
「田中選手を補強したことで、本気で球団が勝ちに行っていると選手は肌で感じていると思います。球団が本気になっているなと。こういうことに関して選手は敏感です。全選手がソフトバンクを倒さないといけないというのは分かっているが、力の違いも感じているはず。それが田中選手を補強したことによって埋められるかもしれない。選手全員に期待を与えられる。投手に限らずモチベーションが非常に上がると思います」(橋上氏)
21年は石井一久監督兼GMの船出のシーズンとなる。田中の8年ぶりの楽天復帰を実現させた手腕は高く評価され、チームの躍進が期待される。
「石井監督にしてみれば監督1年目にしながら背水の陣という形の年でしょうから今年勝負だと思っているはず。その意味では田中選手の補強はこれ以上ない補強だと思います。先発ローテーションをどのように編成するかなど田中選手の起用法を含めて石井監督の采配に注目していきたい。田中選手が楽天に復帰したことで日本球界が盛り上がりますし、期待しつつ見守っていきたいです」(橋上氏)