民放AMラジオの存廃問題 2023年に起きるコト

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FM中継局の整備やケーブルテレビの再送信で「世帯カバー率」上げる

   20年11月には総務省が「実証実験」の具体的な案も公表し、意見を募集(パブリックコメント)している。公表された案によると、停波の時期は3か月~1年程度を想定。FMへの移行で「ある程度世帯・エリアカバー率が低下することはやむを得ない」とする一方で、世帯カバー率は、FMのみで放送を行っているラジオ局と同様の、約90%を満たすように求めている。その方法として、FMの中継局を整備したりケーブルテレビで再送信したりことを挙げているが、radikoは「輻輳・遅延等が避けられず、放送品質の確保が保証されない」として対象外だ。さらに、トンネル内で放送が再送信される放送はAMの場合が大半で、FMについても再送信ができるようにして、エリアカバー率の確保を求めている。また、災害時にはAM放送がすぐに再開できるように、手順・体制等をあらかじめ確認することも求めている。さらに、

「AM放送のFM転換は民間ラジオ放送事業者の経営判断により行われるものであることから、国による財政支援は想定していない」

ともクギをさしている。

   総務省は21年1月時点で、放送局に対して「実証実験」の参加に関する意向調査を行っており、それを踏まえて21~22年にかけて関係する制度を改正。最初の実証実験は23年11月を予定している。総務省では、実証実験に対するAM局側の対応として以下の4パターンを想定。従来どおりの周波数で引き続き番組が聞ける地域と、そうでない地域があるため注意が必要だ。

(1)実証実験に参加しない事業者(AM停波・FM転換を行わない事業者)
(2)AM中継局の停波を行う事業者(親局はAMで継続)
(3)親局を FM に転換するが、AM親局又はAM中継局の運用を継続する事業者
(4)AM親局・中継局とも完全に停波する事業者

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)

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