災害用ラジオで「FMが聞けないことを災害時まで気づかなかったということがないように」
この民放連による要望を受ける形で、19年8月の会合では「現行制度を見直すべき」だとする「基本的な方向性」が確認された。ただ、この「現行制度」に見直しには、解決すべき課題も出てくる。
20年6月の「放送事業の基盤強化に関する取りまとめ」では、(1)カバーエリア(2)対応受信機(3)周知広報、などの課題を指摘している。具体的には、(1)AMは山間部にも電波が届きやすいが、FMに転換すると受信できなくなる。この地域にいかにして情報を届けるかを検討する必要がある(2)90.1MHz(メガヘルツ)より高い周波数を使うワイドFMに対応した家庭用ラジオの普及率は5割程度と推計されており、これを引き上げる必要がある(3)災害時の備品として買ったAM専用ラジオについて、FM放送が聞けないことを災害時まで気づかなかったということがないように周知することが必要。NHKはAM放送を継続することについても周知が必要、といった課題だ。なお、NHKは20年8月に発表した21~23年度の経営計画で、2波あるAM放送を1波に減らす方針を示している。