アニメ制作会社「Signal-MD」(シグナル・エムディ)が、公正取引委員会から下請法違反で指導を受けたことが2021年1月28日、分かった。同社の親会社「IGポート」が取材に明かした。
IGポートは「改めてコンプライアンスを徹底し、法令等を遵守した健全な経営に努めて参ります」とコメントしている。
「下請法の肝の部分」に抵触
シグナル・エムディは14年設立。『劇場版 Fate/Grand Order -神聖円卓領域キャメロット- 前編』『はなかっぱ』『プラチナエンド』などの制作を手がける。
親会社はジャスダック上場企業のIGポートで、「プロダクション・アイジー」「ウィットスタジオ」など複数のアニメ制作会社を傘下に持つ。
指導は1月19日付。下請法第3条第1項では、親事業者は下請け事業者に対し、委託内容を記した書面(いわゆる3条書面)を交付する義務があるが、これに違反した。
公取委下請取引調査室の担当者は27日、J-CASTニュースの取材に「個別事案の詳細については答えられない」としつつ、「3条は下請法の肝の部分です。注文したら必ず所定の事項を記載した注文書を出してくださいという話です。そこが守れていないというのが第3条1項の規定に違反する行為が認められたということです」と話した。
公取委に違反の事実を指摘したのは、アニメーターの久高司郎さん(55)。「ルパン三世」「ポケットモンスター」「妖怪ウォッチ」などの人気作に関わった。