メジャーリーグのヤンキースからフリーエージェント(FA)となっている田中将大投手(32)の楽天復帰が現実味を帯びてきた。スポーツ紙などの報道によると楽天はすでに田中と交渉を行っており、今後も交渉を継続していくという。ヤンキースとの再契約を含めてメジャー残留の選択肢があるなかで、楽天入りはあるのか。田中の決断に注目が集まる。
「コンディションさえ問題なければ2ケタ期待できる」
田中の楽天復帰が決まれば2013年以来8年ぶりの日本球界復帰となる。田中が入団当初から背負っていた背番号「18」は準永久欠番となっており、復帰の際には再びエースナンバーを背負うことになりそうだ。ヤンキースで先発投手として輝かしい実績を残した田中が楽天の先発陣に加われば、他球団の脅威になることは間違いないだろう。
楽天の先発陣をみてみると、20年シーズンは涌井秀章(34)が11勝を挙げて最多勝に輝き、岸孝之(36)は7勝をマークした。この両ベテランが先発ローテーションの一角としてチームをけん引。21年シーズンは涌井、岸に加えて復活を目指す則本昂大(30)の3投手が先発3本柱として期待される。
投手陣の再建がひとつの課題である楽天において、田中がチームに加入すれば大きな補強となる。公式球やマウンドなどの不安材料はあるものの、メジャー仕込みの投球術は健在でローテーションの柱として大きな期待がかかる。楽天のヘッドコーチを務めた橋上秀樹氏(55)は「コンディションさえ問題なければ2ケタ期待できる」と評価している。
ドラ1早川は即戦力として期待
田中が楽天に復帰すれば、驚異の「538勝ローテーション」が完成する。涌井は西武、ロッテ、楽天の3球団で計144勝を挙げ、岸は西武と楽天で計132勝を記録している。則本は13年から6年連続で2ケタ勝利をマークし、計85勝を挙げている。これに日米通算177勝の田中が加われば、4投手だけで勝利数の合計は538勝となる。
田中のチーム復帰が期待される一方で、昨秋のドラフト1位・早川隆久投手(22)が楽しみな存在だ。早川はプロでの実践経験がなく実力的に未知数ではあるが、プロ関係者の評価は高く、球団としても先発の即戦力として大きな期待を寄せている。田中に加えて早川が戦力として計算できれば、チームの上位進出が見えてきそうだ。