伊藤忠は「子会社」ファミマをどう改革? 細見新社長がめざす「再構築」

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伊藤忠商事が、直接ファミリーマートの改革へ

   こうした難局で経営を担ってきた澤田貴司氏が社長を退き、代表権のある副会長に就くことになった。後任には伊藤忠商事で小売りなど生活消費分野を担う「第8カンパニー」のトップを務めている細見研介執行役員が就く。澤田氏も伊藤忠商事出身だが、30代の頃には当時の社長に手紙を書いて「商社は流通業に本格的に参画すべき」と訴えるような型破りの人物。40歳で「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングに転職して、柳井正社長に認められ副社長を務めた異色の経歴の持ち主だ。

   伊藤忠商事から呼び戻されて、2016年からファミリーマート(当時はユニー・ファミリーマートホールディングス傘下の事業会社)の社長に就いていた。だが、ファミリーマート株式の50.1%を保有していた伊藤忠商事が2020年7月に完全子会社化を決断したのは、澤田氏の手腕に不満があったからこそ。今後は、岡藤正広会長CEO(最高経営責任者)率いる伊藤忠商事が、直接ファミリーマートの改革を進めていくことになる。

   新社長の細見氏は、コンビニを巡る経営環境の変化を「サッカーをやっていたらいつの間にかラグビーに変わっていたようなものだ」と例え、ファミリーマートの「再構築」に意欲を示した。今後はデジタル技術を駆使して、コスト削減に手を付けていく意向だ。コロナ下で移ろう消費マインドをつかみ、新たなコンビニの姿を築き上げることができるか。伊藤忠商事の真価が問われる。

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