「断じて許せない行為」
このユーザーが一連の経緯を公表すると、SNS上では映画秘宝や双葉社に批判が殺到した。
映画秘宝の公式ツイッターは25日、岩田氏名義で「すべては公式アカウントの管理・運営にあたっていた編集長である岩田和明の単独行動であり、責任はすべて岩田和明にあります」と非を認め、「媒体の影響力を顧みず、公式ツイッターからいち個人へのあるまじき悪質なDMを送付してしまったことを、深く反省いたします」などと謝罪した。
DMの送信理由は「(前述のラジオ番組への感想の中で)女性ゲストが不在である件、及びホモソーシャル的な映画秘宝文化についての苦言が記されていたことについて、過労のなかで一方的に頭に血がのぼってしまい、憤りを感じてしまったためです」と説明している。
翌26日には、映画秘宝の制作会社「合同会社オフィス秘宝」(東京都新宿区)の田野辺尚人取締役、編集部、相談役の町山智浩氏、柳下毅一郎氏名義で「『映画秘宝』編集長・岩田によるダイレクトメッセージによる恫喝に関するご説明」と題した声明が出され、改めて「被害者の方に深く謝罪を申し上げます。大変申し訳ございませんでした」と謝罪した。
岩田氏については、「雑誌という公共性を持ったメディアが個人に対して攻撃を加える行為を、断じて許せない行為」「『映画秘宝』は映画から、差別や暴力の恐ろしさを学び、その上で弱者に寄り添うことを編集上のポリシーとして雑誌の制作を続けてきておりました。今回の岩田の行為は、本誌の心情と真っ向から対立する、許しようのない行為です」と糾弾し、処分を予定していると明かした。
岩田氏が被害者に直接連絡した件については、「小誌・編集部が岩田からの謝罪文の送付を待っていたタイミングで、預かり知ることができませんでした。謝罪のためとはいえ、被害者にとって暴力的な行為であり、それを未然に防ぐことのできなかった責任は編集部にあると考えております」と編集部にも責任の一端はあるとする。
J-CASTニュースは同社に、(1)不適切なDMの送信は本件のみか(2)騒動の背景には、労働環境やガバナンス(企業統治)体制の問題もあったか(3)具体的な再発防止策――などを質している。回答があれば、追記する。