メジャーリーグのヤンキースからFAとなっている田中将大投手(32)の去就が注目されている。ヤンキースとの再契約を含めてメジャー残留の可能性を残しつつ、日本復帰も選択肢のひとつとなっている。田中はいかなる決断を下すのか。その動向に日米のプロ野球ファンが注目している。
ヤンキースは先発投手の補強に成功
ヤンキースは21年1月25日に交換トレードでジャメーイン・タイロン投手を獲得。これに先んじてサイ・ヤング賞2度の実績を誇るコリー・クルーバー投手を獲得するなど今オフ、先発投手の補強に成功している。これにより田中のヤンキースとの再契約は厳しくなったとの見方もある。
また、ヤンキースは26日にアダム・オッタビノ投手とマイナーのフランク・ハーマン投手をレッドソックスとの交換トレードで放出。米国メディアの報道によると、オッタビノの今季年俸は900万ドル(約9億3000万円)で、このうち85万ドル(約8800万円)をヤンキースが負担するという。これによって補強資金に余裕が生まれることになったが、田中の置かれた状況が変わったわけではない。
このままメジャーの所属先が見つからず田中が日本復帰を選択した場合、移籍先として有力視されるのが古巣・楽天だ。石井一久監督兼GMは田中にラブコールを送っており、田中自身も楽天に愛着をもっていることから現実的な路線だろう。
様々な憶測呼ぶ日本復帰説
仮に田中が日本に復帰した場合、そのまま国内球団でキャリアを終えてしまうのだろうか。それとも国内球団を経由して再びメジャーに戻ることはあるのか...。
田中の日本復帰を巡っては一部メディアで「1年限定説」が報じられるなど様々な憶測を呼んでいる。複数の米メディアの報道によると、田中は年俸1500万ドル(約15億6000万円)を希望しているとされる。田中がすぐにメジャーに戻る意思があるのならば希望額に届かなくても単年契約でシーズンを迎える可能性もある。
日本の球団からメジャーに移籍後、日本球団に復帰したメジャーリーガーは数多い。その一方でメジャーから日本に復帰した後に再びメジャーに戻ったケースは数少ない。過去には、木田優夫投手がオリックスからメジャーに移籍し、オリックス復帰後に再び海を渡っており、岡島秀樹投手も同じく日本復帰後にメジャーに戻っている。
2度目のメジャー挑戦は厳しいものに
木田氏はメジャーで実績を残すことが出来なかったが、岡島氏はレッドソックス時代にワールドシリーズ優勝を経験するなど5年間、メジャーで活躍した。レッドソックス退団後の12年にソフトバンクに移籍し、翌13年にアスレチックスとマイナー契約を結んだ。その後、メジャーに昇格するも結果を残すことが出来なかった。
木田氏、岡島氏ともに2度目のメジャー挑戦は厳しいものになったが、メジャー球団退団後、2人とも日本球界に復帰している。去就が注目される田中は今後どのような選択をするのだろうか。メジャー残留か、それとも日本球界復帰なるか。田中の今後の動向から目が離せない。