産経・FNNは「回答が不明確な場合には、『どちらかといえば』と再度質問」
政府のコロナ対策への評価が低いという点は3つの調査で共通しているが、支持率は産経・FNN調査の方が際立って高く出ている。この背景にあるとみられるのが、調査手法の違いだ。
産経は1月25日の紙面で、調査方法を
「調査エリアごとの性別・年齢構成に合わせ、電話番号を無作為に発生させるRDD(ランダム・デジット・ダイヤリング)方式で電話をかけ、算出した回答数が得られるまで調査を行った。電話の割合は『固定電話4:携帯電話6』。回答が不明確な場合には、『どちらかといえば』と再度質問して回答を得た。調査対象は全国の18歳以上の男女1104人」
と説明している。朝日もRDD方式を使用し、調査員が固定電話と携帯電話に電話をかけており、具体的手法については
「固定は有権者がいると判明した1132世帯から632人(回答率56%)、携帯は有権者につながった2026件のうち1015人(同50%)、計1647人の有効回答を得た」
としている。毎日は
「調査は、携帯電話のショートメール機能を使う方式と、固定電話で自動音声の質問に答えてもらう方式を組み合わせ、携帯711件・固定368件の有効回答を得た」
と説明している。
つまり、3調査のうち、産経のみが「回答が不明確な場合には、『どちらかといえば』と再度質問して回答を得た」という手順を踏んでいる。いわゆる「重ね聞き」と呼ばれる手法で、1月25日午前にフジテレビで放送されたニュース番組「FNN Live News days」でも、この点についての言及がある。
菅政権コロナ対策への評価が厳しい割に支持率が50%を超えた理由をキャスターが質問したのに対して、同局のデスクは
「今回の調査では、回答が不明確だった人に『どちらかといえばどうか』と重ねて質問しており、支持・不支持ともに高い数字が出やすいという面もある」
と答えている。さらにデスクは、菅内閣を支持する人の中でも43%がコロナ対策を「評価しない」と回答したことを挙げながら、
「評価できないが、週末に感染者の状況も減少傾向で、今後への期待を込めて、ぎりぎり菅政権を支持すると答えた人がそれなりに存在することが読み取れる」
と解説した。