報道各社の世論調査では、菅義偉内閣の支持率が不支持率を下回る厳しい結果が続々と明らかになっている。そんな中で一線を画しているのが産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が2021年1月23~24日に行った合同調査で、支持率は5割を超えている。
産経・FNNの調査は、20年6月に架空の調査結果を入力する不正が発覚したのが原因で中止されていたが、21年1月に再開。菅内閣の支持率を調べて発表するのは今回が初めてだ。産経・FNNだけ際立って高いのはなぜなのか。
産経・FNN52.3%、朝日33%、毎日33%
産経・FNN調査をめぐる問題が明らかなったのは20年6月。委託先が、実際には電話していない架空の調査結果を入力する不正行為を行っていた。不正は19年5月から20年5月までの世論調査、計14回で見つかり、両社は調査結果に基づく放送を全て取り消した。産経は21年1月16日付の紙面で、社員が調査に立ち会ったり、調査員と回答者のやり取りを別の調査員が照合して確認したりする再発防止策を講じた上で、調査を再開することを明らかにしていた。このような経緯があるため、産経・FNNが菅内閣の支持率を調べて発表するのは今回が初めて。
その上で1月25日付の産経紙面で報じられた内閣支持率は52.3%で、不支持率は45.0%だった。「政府の新型コロナウイルス対策を評価するか」との問いには、「評価する」33.6%に対して「評価しない」65.6%だった。
一方、産経と同じ時期にあたる1月23~24日に朝日新聞社が行った世論調査では、内閣支持率は20年12月の前回調査よりも6ポイント低い33%で、不支持率は10ポイント高い45%だった。一方、
「新型コロナウイルスを巡るこれまでの政府の対応を評価しますか」
という問いには、「評価する」が前回より8ポイント低い25%、「評価しない」が7ポイント高い63%だった。
その1週間前の1月16日に毎日新聞と社会調査研究センターが行った世論調査でも、同様の結果が出ている。内閣支持率は前回20年12月調査よりも7ポイント低い33%。不支持率は8ポイント高い57%だった。政府の新型コロナ対策は「評価する」15%、「評価しない」66%だった。