大阪市が新型コロナウイルス感染者に送付した書類の封筒に、葬儀会社の広告が掲出されていたことが、インターネット上で波紋を広げている。
市によれば、ネット上で封筒が注目を集めたことを受け、保健所から各区の保健福祉課になるべく使用は控えるよう要請したといい、広告を出稿した葬儀会社も「お渡しすることで悲しい思いをさせてしまうのは申し訳ない」と同意した。
「不謹慎ではないか」
問題となった封筒の裏面には、「大阪の市立斎場 お葬式の相談は公益社」と書かれた広告が掲載されていた。出稿したのは葬儀大手・公益社。
新型コロナの感染者が1月22日、大阪市内の保健福祉センターから自宅療養者向けの案内と勧告書がこの封筒で送付されてきたとツイッターで問題視すると、広く拡散した。
「激しい症状が続く中で、本当に治るのかもわからず、将来の不安に陥った私に、『次はお葬式のご案内です』と保健センターが無神経な案内を出している状況に、深く悲しみ呆れ果てました」(封筒を受け取った人物)
大阪市会計室によれば、この封筒は役所全体で使っているという。広告は20年6月から掲載し、封筒20万枚で10万円の広告費を得た。
市には「新型コロナ関連の文章を送る封筒に葬儀会社の広告を入れるのは不謹慎ではないか、配慮に欠ける」といった苦情が寄せられ、保健所から各区の保健福祉課に対し、なるべく使用は控えるよう配慮してほしいとの旨の通達をメールでしたという。