休業支援金「勤め先に申請したと知られることに心理的抵抗があった」人も
休業支援金についてはどうか。アンケート調査によれば、シフトが減少している人のうち、勤務先から休業手当を受け取れない場合、雇用者が自分で休業支援金を申請できることを、「知っている」と回答した人はわずか16.1%だった。申請していない理由では、「自分が申請対象になるか分からなかった」が66.5%と3分の2に達した。また、「勤め先に申請したと知られることに心理的抵抗があった」が13.8%、「勤め先に申請を反対された・申請に協力してくれなかった」も4.3%おり、立場の弱さが申請できない状況を作っていることも明らかになった。
知らない人が多く、受給できる人が少ないのは、企業が従業員を休ませたことを認めないなど申請に協力しないためと思われるが、労組や支援団体は、従業員を休ませたことや、休業手当の不払いを認めて申請書に記入すると、国に労基法違反と指摘されるのではないかと企業が恐れているとみている。
せっかく支援策を作っても、実際に利用されないのは大問題で、「支援策を広く、分かりやすく周知したうえ、相談窓口の設置なども急務」(野村総研)なのはもちろんだが、その制度自体が2月末で期限切れになる。1月21日には非正規雇用で働く人たちなどでつくる労組「首都圏青年ユニオン」が、期間を延長や、休業支援金の対象に大企業も加えることなどを厚生労働省に要請するなど、延長を求める声は強い。
2月7日までとして出された緊急事態宣言だが、早期解除は困難との見方が強まる中、飲食業を中心にそこで働く非正規雇用の人たちの困難も増している。休業手当、休業支援金制度の周知はもちろん、延長、さらに拡充も必要だろう。