「みんな、ライブで生きているんですよ」 緊急事態宣言下でも公演開催、決断した業界トップの覚悟

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「やるも地獄、やらぬも地獄」 

   ――事業継続のためには、基金のような業界内の「共助」だけでなく「公助」も必要になってくるかと思います。

中西:たとえば「J-LODlive」(コンテンツグローバル需要創出促進事業費補助金)という補助金制度があります。ライブを再開するにあたって、必要な費用の50%、最大5000万円まで補助されるというものです。業界にとって、こうした補助は非常にありがたい。ただ、現状は申請をはじめても、すぐには手元にお金が入らないような状況になっている。ハードルは高いと感じています。もう少し早くお金が回っていくような形にしていかないと、「申請倒れ」の問題も出てくると懸念しています。

   ――1月6日には今回共同声明を出した音楽4団体が、緊急事態宣言の再発出を受けた「止血となる緊急経済支援策」「公演事業者のキャンセル料支払い免除措置」を政府に要望していました。反応はありましたか。

中西:緊急事態宣言下で中止になったイベントで発生した経費を支援する、という方針が経産省から示されました。これは大きな前進だと思います。宣言下のライブで問題になってくるのは2つ。1つは完全に中止したイベントに対して発生する経費。もう1つは開催した場合のキャンセル料。この宣言下なので、行きたくないという方は当然おられる。それは個人の判断なので致し方ない。でも、例えばチケットが100%売れていたものが、30%キャンセルが出た場合、開催しても採算的には成り立たないケースがある。これをどういう風に補填できるのか、というのも大きな課題です。

   ――ライブを開催できたからそれでいい、ということではないのですね。

中西:もともと人数制限がかかっている上で、さらにキャンセルが発生して、そこに払い戻しの手数料も加わるわけですから、なかなか辛いものがある。やるも地獄、やらぬも地獄という状況です。
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