春の旅行シーズン、予約は「例年の1割程度」
SNS上で話題を呼び、人気に火がついたという商品やサービスは近年枚挙にいとまがない。今回の宿泊プランについて広報担当者は「話題になっているのは嬉しい」としつつ、こんな実情を口にした。
「実際の予約は数件です」
プランは当初21年1月末までとされていたGoToトラベルキャンペーンが終わった後の宿泊需要を掘り起こす目的で検討していたものだという。そうした中で、GoToの全国一時停止延長や、2度目の緊急事態宣言に直面。春の学生旅行シーズンの予約は現時点で例年の1割程度になる見込みで、担当者は「すごく厳しい状況」だと語る。
各施設では入館時の検温や受付の飛沫防止シートの設置、レストランの座席での仕切板の設置など「できる限りの感染対策」を実施しているという。しかし、これだけSNS上で「泊まりたい」という声が聞かれていても、時節柄、実際の予約には結びついていないのだと、苦悩を口にする。
また、コロナの感染拡大に伴い、1月19日から31日まで、一部施設が臨時休館となっている。今後の感染状況に伴う対応については「プラン自体がなくなることはない」としつつ、ホテル・旅館が休館となる可能性はあるとした。
厳しい状況下だが、広報担当者は前を向く。
「このご時世、宿泊産業的にも元気がなかったところで、温泉旅館が話題になるいいきっかけになったのではないでしょうか。今は緊急事態宣言が出ている地域もありますが、コロナが落ち着き、お客様が安心して来られる状況になれば、ぜひ温泉旅行をしていただければと思います。『湯桶プリンをやってみたい』という方が多ければ、プラン期間の延長も検討して参ります」