新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、手洗いやアルコール消毒が徹底されるようになった。インターネット上では、コロナ禍のジュエリー管理に注目が集まっている。「大切な指輪はしばらく我慢」、「アクセサリーを付けなくなった」といった声もある。
J-CASTニュースはジュエリーコーディネーター1級の資格を持つ宝石鑑定士・鈴木雄太さん(@yutasuzuki0930)と、日本宝石特許鑑定協会の工藤直一さんに、消毒用アルコールとジュエリーの関係や、手入れ時の注意点などを取材した。
アルコールに強いジュエリーは?
アルコール消毒を避けた方が良いジュエリーはどういったものだろうか。宝石鑑定士の鈴木さんはこう話す。
「有機質と呼ばれる宝石はアルコールなどに弱いです。真珠、サンゴ、琥珀、ベッコウ
多孔質の宝石も酸などの影響を受けやすいため注意が必要です。
トルコ石、マラカイト、ラピスラズリ、オパール、アゲートなど含浸処理やワックス処理、着色がされている宝石も念のため避けたほうが無難です」
上記の宝石は、アルコール消毒する際に外したほうが良いという。
では、こまめな手洗いや除菌にも耐性があるジュエリーや、コロナ禍でも用いやすいアクセサリーはあるのだろうか。鈴木さんに聞くと、ダイヤモンドやルビー、サファイアなどをあげた。
ただ、基本的にはジュエリーを外しての消毒を推奨しており、消毒後もアルコールを残留させない方がいいという。
「アルコールが残ったままになると痛む可能性がありますので流水で洗い流し、柔らかい布でしっかりと水分を拭き取ってください。
有機質は水分が残っていることで痛むこともありますので水洗いは日常的なケアではなく応急処置にはなります」
また、アルコールに強いとされる宝石であっても、「何かしらの処理がされていることも稀にある」として、コロナ禍のジュエリー選びについて「石なしのデザインを楽しまれるもの良いかと思います」と話した。
アフターメンテナンスも大切
日本宝石特許鑑定協会の工藤さんも、石がついているものは変色する可能性が高く、金やプラチナなどの地金類、ダイヤモンド、サファイアはアルコールに強い方だという見方を示した。
しかし、アルコールに強いジュエリーであっても、外部の傷から液体などが入り込み劣化してしまう可能性もある。工藤さんは、定期的なジュエリーの検査、アフターメンテナンスも大切だと話す。
また、ジュエリーを傷めてしまった場合は、宝石鑑定所に相談することを推奨した。
「傷口が浅い場合は再研磨もできます。地金類で傷がついた場合も新品仕上げというピカピカになる技術があります。そういうこともできますので、宝石鑑定所または宝石店に相談するのが良いと思います」
先述した宝石鑑定士の鈴木さんは、「酸や消毒液などに気をつけていただければ、宝石は半永久的に輝きを楽しむことができる」としたうえで、
「コロナ渦で気持ちが沈むことの多い日が続きますが、是非そんなときには宝石を身に着けて気持ちを上げていただければと思います」
と話していた。