社内のZoom会議で「子供の声」を注意され... 「上司がおかしい」反響呼ぶツイート、厚労省の見解は

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   テレワーク中に会社のウェブ会議に参加したところ、子供が騒ぐ声が聞こえて上司に注意された――ツイッター上でこんな投稿があり、様々な意見が寄せられている。

   上司がおかしいとの声も多いが、仕事ができるような環境も大切だ。コロナ禍で増えているテレワークの仕事環境について、厚労省の見解を聞いた。

  • Zoom会議で子供の声を注意されたら…(写真はイメージ)
    Zoom会議で子供の声を注意されたら…(写真はイメージ)
  • Zoom会議で子供の声を注意されたら…(写真はイメージ)

「上司が筋違い」「家族に協力してもらって」など様々な意見

   ツイッター上で投稿があったのは、2021年1月20日のことだ。

   テレワーク中の友人が社内のZoom会議に参加したところ、子供が騒ぐ声などがしたので仕事の環境を整えるようにと叱られたとして、会社に環境を整える義務はないのかと問題提起した。

   政府が緊急事態宣言を首都圏などで出して、テレワーク中の人も多いこともあって、投稿は大きな反響を呼び、1万件以上もリツイートされている。

   様々な意見が寄せられており、上司の言い分に疑問や批判は多い。「上司が筋違いです。在宅ワークである以上はしかたないこと」「全くなにもしてくれないのに叱られるなら理不尽だ」などで、そこまで言うなら会社がレンタルスペースなどを提供すべきだとの指摘もあった。

   一方で、「部下と子供の騒いでる声が合わさって聞いてる側はかなり耳障りなパターンかもしれない」「参加する社員として、家族に事前に話をして協力してもらうぐらいは普通かな」と、テレワーク中の本人も努力すべきだとの意見も出ている。

   会社はどこまで、テレワーク中の人に配慮したり、その仕事環境を整えたりする必要があるのだろうか。

   テレワークを推進している厚労省の短時間・在宅勤務課は22日、J-CASTニュースの取材にこう話した。

「仕事環境を整えるように言うのは的外れ」

「テレワークは法的に決まっておらず、個別の規制はないです。労使が話し合って決め、就業規則などに定めることになります」

   同課によると、労働基準法では、働く場所として家庭を除外していないため、法の規定がそのまま適用されるが、職場の照明などの基準をうたった労働安全衛生法は、テレワークには適用されないという。

   ただ、厚労省では、「テレワークにおける適切な労務管理のためのガイドライン」を定めている。そこでは、労使で協議して文書に残すのが望ましいとし、「実際にテレワークを行うか否かは本人の意思によることとすべき」だとした。また、自宅などの場合は、労働安全衛生法による規則などの基準と同等の作業環境になるようテレワーク中の人にアドバイスすることが望ましいとしている。

「会社は、日常生活の中で働いていることを理解し、小さな子供がいる場合などには、補助金も出るサテライトオフィスやコーワーキングスペースを有効に活用してほしいです。業務命令でやってもらっている場合には、仕事環境を整えるように言うのは、的外れだと思います。ただ、企業にどこまで義務があるのかは、ケース・バイ・ケースでしょう。企業がすべてを負担するわけではなく、テレワークをする人も、場合によっては保育園を検討すべきですし、家族に協力してもらうなど適切に労働を提供する必要もあると思います」(短時間・在宅勤務課)

   テレワークの普及が進んで課題も明らかになったとして、先述のガイドラインは、3月末までに全面的に改訂することも明らかにした。盛り込まれなかったサテライトオフィスの有効活用などをうたうというが、自宅などで働く場合についても、どのような仕事環境が望ましいのか今後議論が求められそうだ。

(J-CASTニュース編集部 野口博之)

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