井岡一翔タトゥー露出への「厳重注意」は「きわめて無難」 JBCの処分を専門家はどう見たか

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   日本ボクシングコミッション(JBC)は2021年1月22日、WBO世界スーパーフライ級王者・井岡一翔(Ambition)に対して厳重注意処分を下したことを発表した。井岡は昨年大みそかにタイトル戦を行い、試合中にタトゥーが露出したことが問題視されていた。JBCルールでは「入れ墨など観客に不快の念を与える風体の者」は試合に出場できないと定められている。

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「タトゥー問題」SNS上でも物議

   井岡は昨年大みそかに自身が保持するWBO王座の防衛戦を行い、世界3階級制覇の田中恒成(畑中)を下して王座の防衛に成功。問題となったのは、この試合中に井岡の左腕と脇腹に入っているタトゥーが露出してしまったこと。井岡はタトゥー部分に専用のファンデーションを塗ってリングに上がったが、試合が進むにつれてタトゥーが露出していった。これがルールに抵触したとして今回の処分につながった。

   JBCは公式サイトで井岡とAmbitionジムの木谷卓也会長に対して厳重注意処分を下したことを発表。井岡に対する処分理由については「同選手は、令和2年12月31日、世界タイトルマッチ出場の際、入れ墨を隠す塗布物が剥がれ落ち、左腕の入れ墨が露出したまま試合を続行した。このことはJBCルール第95条2号に抵触するものであり、当財団は井岡一翔選手を厳重注意処分とする」としている。

   今回、結果として試合中にタトゥーが露出してしまったが、試合前にJBCスタッフ立ち合いのもとファンデーションを塗っていたことから意図的に露出したものではないとみられる。その一方で試合を許可したJBCの管理体制が問われており、スポーツ紙などの報道によるとJBCは今回の反省を踏まえた上で再発防止に努めるという。

「今後はより厳しくなっていくと思います」

   昨年大みそかのタイトル戦は世間の注目度が高く、井岡の「タトゥー問題」はSNS上で物議をかもした。今回のJBCの処分は軽度の厳重注意にとどまったが専門家はどうみたのだろうか。J-CASTニュース編集部は、協栄ジムの金平桂一郎会長(55)を取材し見解を聞いた。

   金平会長は今回の処分に関して「きわめて無難な処分だと思います」と言及し、次のように続けた。

「JBCにはインスペクターがいて、前日計量の時も井岡選手のタトゥーを確認できたし、試合当日も確認しているはずです。その上でインスペクターが試合当日に井岡選手がリングに上がることは可能であると判断した。今回は井岡陣営にもJBCにも注意義務がありました。前回は問題なかったわけですから今回はファンデーションの塗り込みが甘かったというのは間違いないでしょう。タトゥーに関してはJBCルールに明確にありますので、今後はより厳しくなっていくと思います」(金平氏)

   昨年大みそかに行われたタイトル戦は世界的に高く評価され、井岡は米国の権威ある専門誌「ザ・リング」のパウンド・フォー・パウンド(PFP)ランキングで10位にランクされた。また、国内では2020年度の最優秀選手賞と年間最高試合の候補に挙がっており、注目を集めていた。

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