バイデン氏就任演説は「事実に照らして正当化可能な主張ばかり」
一方、バイデン氏は現時点ではきわめて「安全運転」だ。ファクトチェックの専門サイト「ポリティファクト」は、就任演説の検証記事で、
「就任演説ではよくあることだが、バイデン氏は広いテーマを重要視した。しかし、いくつかの検証可能な事実に関する主張も発見した。バイデン氏の演説では、事実に照らして正当化可能な主張ばかりだった」
などと論評している。記事では5つの主張について検証。その対象のひとつが、バイデン氏の
「100年に1度のウイルスが静かに国内をのさばっている。1年間で、第2次世界大戦で米国を失ったのと同じくらい多くの命が失われた」
という主張。検証記事では、ジョンズ・ホプキンス大のまとめによる新型コロナの米国内の死者数は40万2269人で、米議会調査局によるまとめでは、第2次世界大戦の米国の死者数が40万5399人だとされていることを紹介。この段階では第2次世界大戦の死者の方が少し多いが、就任式の日には新型コロナによる死者数の7日間移動平均値が3015に達しているため、第2次大戦の死者数(と新型コロナの死者数)は、新型コロナが米国に到達して1年未満の1月20日か21日に一致するとして、発言を「正確に近い」と評価している。
バイデン氏は
「何百万もの雇用が失われ 何十万もの企業が倒産した」
とも主張。検証記事では、20年2月から12月の間に全米で980万人以上の非農業部門の雇用が減少したとして、「パンデミック(世界的大流行)の間に失われた雇用については正しい」と評価。企業については、「多くの企業が倒産したことは否定できないが、具体的な数は、はっきりしない」とした。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)