「検査で問題なくても、段階的な復帰が必要」
サッカーやラグビーなど接触の多いコンタクトスポーツでは、このような症状が出れば、ガイドラインに沿った対応をするはずというものだ。例えば、日本サッカー協会のサイトでは、脳震とうについて、「重症の場合は、生命に危険を及ぼす」として、本人の意思だけでプレーを続行させず、すみやかな専門医の診断が必要だとしている。
スポーツドクターの芦屋中央病院(福岡県)の迫田真輔医師は1月20日、J-CASTニュースの取材に対し、湘南乃海のような症状が見られたら、「まず脳震とうを疑うべきだ」と話した。
近年、ラグビーなどのコンタクトスポーツでは頭部外傷後に一時的な意識消失などの症状が発生した場合、SCATと呼ばれる医学分析手法を使用し脳震とうの可能性を判断するそうだ。
「スポーツ現場のメディカルスタッフ、場合によってはスポーツ指導者が脳震とうの判断を行い、本人の意思に関わらず競技をストップさせる必要があります」
「脳震とうはCTやMRIなどの検査で『異常なし』と判断されます。しかし検査で異常がないからと言って脳震とうから速やかに復帰させることは重大な後遺症のリスクが高まります。従って競技に復帰するためには段階的に負荷を上げることが重要であるとされています。当院ではSCATを参考にして作成した復帰プログラムを使用しています」
このプログラムでは、無症状であることが負荷を上げる条件になっており、コンタクトを含む練習に復帰するには、少なくとも4日を経過してからになっている。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)