「鬼滅の刃」ヒットも寄与? イオンの業績がコロナ禍でも好調な理由

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「緊急事態宣言でのマイナス影響は限定的」

   事業別にみると主力のGMS(総合スーパー)が71億円の営業赤字ながら前年同期より33億円、赤字幅を縮小した。もともとイオン全体として「営業利益の約半分が年末商戦を含む第4四半期(12~2月期)に発生する傾向がある」とみられており、前年同期より改善したことは十分評価すべきことと言える。

   また、イオンモールの業績を示すディベロッパー事業の営業利益は110億円と総合金融(174億円)に次ぐ大きさだった。記録的ヒットとなった映画「鬼滅の刃」への集客がイオンモール全体に収益をもたらし、「サービス・専門店事業」の業績も底上げした。

   「マックスバリュ」などのSM(スーパー)や、ドラッグストアのウエルシアホールディングスなどのヘルス&ウエルネス事業も引き続き好調だった。イオンは「コロナの影響を受けた事業が回復する間、ヘルス&ウエルネスとSMが支えた」と指摘している。

   野村証券は9~11月期について「在庫適正化、粗利率改善、経費抑制を背景としたGMSの業績改善も見られ、全般に業績は順調との印象」とリポートに記した。コロナの感染拡大が業績に影響する可能性もあるが、SMBC日興証券は「郊外立地かつ必需品中心の事業が多く、今回の休業なき緊急事態宣言でのマイナス影響は限定的」と見ている。

   18日現在も株価は高値圏にあるだけに一進一退の展開が予想されるが、材料によってはさらに上場来高値を更新する可能性もありそうだ。

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