「政策集のようだ」という評価を受け続けてきた菅義偉首相の演説に対する評価は、2021年1月18日に行われた施政方針演説でも、大きくは変わらなかったようだ、
野党各党は、演説に「危機感」「積極的な方策」が欠けているなどと批判。各省が出した政策を寄せ集めただけの「短冊演説」になってしまい、新型コロナ感染抑止に向けたメッセージが届きにくかったと受け止められたようだ。
維新は「実行力については負けない部分」と評価するも...
菅氏が演説で言及した新型コロナ対策は、飲食店の時短に加えて、「テレワークの7割実施、不要不急の外出・移動の自粛、特に、20時以降の不要不急の外出自粛、イベントの人数制限」の呼びかけ、新型コロナウイルス特別措置法の改正、ワクチンの接種、医療従事者への支援額の引き上げなど。
日本維新の会の馬場伸幸幹事長は、パフォーマンスが先行する政治家と比べれば、菅氏の方が「実行力については負けない部分があると思う」と一定の評価をしたものの、それ以外の野党からは厳しい声が相次いだ。
「100年に1度と言ってもいいくらいの大変な危機であるにもかかわらず、そこに対する総理の危機感というものが全く感じられなかったというのを、大変残念に思っている」(立憲民主党・枝野幸男代表)
「多くの国民が不安と苦しみの中にあるときに、政府としてどうやって感染の抑止を行うのか、その積極的な方策が全くない。これが一番の問題」(共産党の志位和夫委員長)
通常、首相が所信表明演説や施政方針演説の準備をする際は、「短冊」と呼ばれる、各省庁から提出された政策の内容を踏まえて演説を作っていく。通常は、この「短冊」を取捨選択しつつ自らのエピソードを盛り込んだりして、演説の内容を推敲(すいこう)していく。