「補償と罰則」ばかり焦点あたるけど... 立憲がなぜか指摘しない、コロナ特措法の「重大な問題」とは

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   2021年1月18日に召集された通常国会では、政府は新型コロナ特措法や感染症法の改正案を提出する。これらの法案に盛り込まれる罰則の是非をめぐって論戦が展開されるが、緊急事態宣言の前段階として政府が新設する方針の「予防的措置」についても、懸念の声があがりはじめた。

   予防的措置は、緊急事態宣言を出さなくても都道府県知事が事業者に対して営業時間の短縮要請ができるようになり、応じない場合は命令ができる。それでも応じない場合は過料を科したり、公表できるようになったりする。緊急事態宣言の発令には国会への事前報告が必要だが、予防的措置では国会の関与がないままに私権の制限ができるようになる、という懸念だ。

  • 新型コロナ特措法改正案に盛り込まれる「予防的措置」改め「まん延防止等重点措置」も議論の対象になりそうだ
    新型コロナ特措法改正案に盛り込まれる「予防的措置」改め「まん延防止等重点措置」も議論の対象になりそうだ
  • 新型コロナ特措法改正案に盛り込まれる「予防的措置」改め「まん延防止等重点措置」も議論の対象になりそうだ

緊急事態宣言の前段階で「地域を絞り業種を絞り、措置をとっていく」と西村氏

   西村康稔経済再生相は1月17日朝にNHKで放送された「日曜討論」で、予防的措置の意義を

「『まん延防止等重点措置』ということで法律上は書こうと思っている。緊急事態宣言は、今、発出されているが、かなり広く、さまざまなことの制限がかかってくる。そうなる前の段階で、地域を絞り業種を絞り、措置をとっていく。これに実効性を上げれば、緊急事態宣言に至らないようにする(ことができる)ということで、そういう措置、まん延防止措置を新設し、ここでも強制力を持てるようにしたい」

などと説明していた。

   予防的措置の方向性は、1月13日に開かれた政府・与野党連絡協議会で与党側から示され、18日夕までに共産党や国民民主党から異論が出ている。例えば、協議会の場で共産党の田村智子政策委員長が

「予防的措置で、要請に応じない場合を調査して違反かどうかを判断するのは保健所だという。保健所がこれだけ大変なときに、実効性があるのか」

などと実効性を疑問視。このことを1月14日付けの機関紙「しんぶん赤旗」が報じている。1月16日には、小池晃書記局長が

「罰則に加えて、『予防的措置』の名で『緊急事態宣言』すら出さずに、私権制限を拡大するのは極めて重大。私権制限には、十分な補償と民主的議論、政府への信頼が不可欠」

とツイートしている。

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